カテゴリー別記事: ぞうき林

はたちの約束

 1日の新年号で今春20周年の節目を迎える桐生市市民文化会館を取り上げた▼1997年5月の開館記念式典での第九演奏会から、2014年9月に復活したアトリウムコンサートまで、11枚の写真で振り返る特集。開館した当時はフィルムカメラがまだ一般的で、会社の資料室に眠るネガを探りながら、20年の時の流れを実感していた▼本当は、開館当時を知る職員を中心に話を聞き、「十大ニュース」の形式でまとめようと考えていた企画。しかし、「思い出すのは失敗したことや大変だったことばかり」との職員の声により、断念。10周年の記念誌や過去の新聞記事から、記者が2年に1枚のペースで勝手に写真をピックアップさせてもらった▼実は市民文化会館の歴史は、記者の社会人の歩みと重なる。自身を振り返ってみても覚えているのは喜びや成功よりも、悔しさや背筋が寒くなるような失敗だ。市民文化会館の記事を探して新聞をめくりながら、初めてのことにドキドキ、時にビクビクしていた新人時代を思い出す。20年前に思い描いていた「大人」に果たしてなれたのだろうか▼今年の成人の日は9日。桐生市成人式は8日、市民文化会館を会場に行われる。(野)

お正月休み

 初詣は例年、家族で地元の神社に行く。お日さまが昇ってからゆっくりと出かける。お昼近くになる こともある▼いつも行くその神社は、天満宮や貴船神社のように有名でも大きくもない。が、ここ数年 、初詣に訪れる人が多くなっているようだ。子どもを連れた家族が多い。年々増えているように感じる 。「私の暮らしている地域の人たちの神様を敬う気持ちが年々強くなっているから」というより、「時 間に余裕をもってお正月を過ごす人が増えているから」ではないかと想像する▼手や口を清める「お手 水(ちょうず)」のところに並ぶ人の列が境内をはみ出し、道路にあふれそうになっていた。本殿の前 に並ぶ人の列も長かった。時間帯によっては、これほど混んでいないと思うが、いつもは閑散としてい る所がにぎやかになるのは、なんだかうれしい▼神社の次は買い物にいくことが多い。今年も車で家電 量販店に行った。が、なんと、お休み。元日だって営業しているだろうと思っていたが、残念。今まで は営業していたんじゃなかったかなと思う一方、少しほっとした。「そうだよな。日本人はもっと休ん だほうがいい。お店も正月は休んでもいいよな」と思い直した。(な)

立ち位置を知る

 初日の出を拝もうと、渡良瀬川に架かる橋まで出掛けた。元旦の恒例行事である。橋の上に立ち、眼下の水の流れから、東の空に視線を上げると、さらに上空で鳥の鳴き声がする。カワウやカモが列をなし、川下目指して空を行くのが見えた▼川の上空にはおそらく彼らの通り道があり、そこを往来することが日課なのだろう。夜明けを待ってえさ場へと向かう途中といったところか。空を飛ぶ鳥たちの目に、この地域はどう映っているのだろうと、つい想像してしまう▼20年前、セスナ機に乗りこみ、500㍍の上空から桐生みどりの風景を眺めた。広い裾野を持つ赤城山の山容は雄々しく、吾妻山や鳴神山といった山の連なりが、まちを守るようにそびえていた。渡良瀬川と桐生川は輝く青い糸のようだった▼地上で暮らしていると、小さな変化が目に留まるが、視点を上げれば、ふるさとのおおまかな形だけが残る。山、川、平野と、大地が織り成す地形の特徴はおそらく、長い歳月にわたって変わらぬままなのだろう▼広い視野も、狭い視野も、ともに大事にしていきたい。2017年、自分の立ち位置を確認しながら、私たちの地域を見つめてみたいと、そんなことを思った。(け)

地域内BtoB

 企業が個人と行う取引を「BtoC」、企業間取引は「BtoB」という。Bはビジネス(business)、Cはカスタマー(customer)を表す。ブランド化やウェブサイトを通じた拡販で、BtoCで成功を収める企業が桐生でも増えてきたが、BtoBの新しい動きも活発化してきた▼年の瀬の桐生信用金庫本店の応接室に、2017年のカレンダーがあった。干支の酉にあやかり、絵柄はつがいの鶏。森秀織物(東四丁目)が手掛ける「織物カレンダー」を使い、事業所名を入れ、全総代128人に初めて配った。定番にはない柄で特注したそうだ▼創業50周年を迎えた加藤鉄工(広沢町一丁目)は、朝倉染布(浜松町一丁目)の超撥水風呂敷を記念品に選んだ。こちらも、オリジナルのデザインで生産を依頼したという。ほかでは、山田製作所が創業70周年で、イヅハラ産業(広沢町二丁目)の技術でコースターを製作。記念ロゴと社章を織り込み、従業員に贈った▼これらも立派な〝地産地消〟だろう。地域を応援したい企業と地域で頑張る企業。明けて2017年、こうした結びつきがもっと増えたら、まちも一層活気づくだろう。(悠)

流行歌

 数日前に発表されたオリコンの年間ランキングによると、2016年のCDシングルランキングは、1位から4位までAKB48が独占したという。ベスト10はほかに乃木坂46が3曲、嵐が3曲。ついでにいえば「48」「46」グループとジャニーズ系だけで26位まで占められている▼で、それらランク入りした曲のタイトルを見てみたのだが、何一つ、知らない。メロディーとか耳にしたことはあるのかもしれないが、意識して聞いた覚えがない▼今年一番売れた曲、“流行歌”というものを知らないのだから、流行にうとい、年を取ったのだなとは思う。学生のころ、ヒット曲は意識せずとも普通に聞こえて、知らずに覚えていたのに▼この一年、音楽を聞かなかったわけではない。鼻歌も意識せず歌う。ただ、全般に古い。30年、40年も前だったり、生まれる前の曲だったり。そぎ落とされてそれでも残った曲が、身にしみ込んでいるんだなあと思う▼今の子どもたちも、30年、40年の後、AKBや嵐の曲を意識せず歌う日がくるかもしれない。曲の良しあしとかでなく、曲が流行していたときの自分やその周りを思い出して▼鼻歌に出るくらいだから、それはきっと、いい思い出。たくさん歌えるといいな。(篤)