カテゴリー別記事: ぞうき林

組織票カタログ

 参院選が終わった。国政選挙や大規模な選挙では、政党や報道各社が世論調査や出口調査を行うので、その数字をみれば統計学的に結果はほぼ正確に見えてしまう▼テレビが開票スタートと同時に「当確」を速報できるのはそういうわけで、報道各社はこの「ゼロ打ち」(開票率0%で当確速報を出すこと)を競っている。違和感を覚える人も少なくないと思うが、昨今の選挙は良くも悪くもマスコミ主導なのだ▼参院選の特性上、比例代表の党派別得票数に注目すると、いわゆる「組織票」が見えてくる。たとえば桐生市から出た自民党票は2万499票、みどり市は8285票。民主党票は桐生5885、みどり2364で、自民の4分の1しかない。共産票は桐生4695、みどり1554。公明票は桐生7086票、みどり2731。維新票は桐生5231、みどり2170だ▼より細かく見ると、桐生市から自民の羽生田俊氏に入った2184票はいわゆる医師会票。民主の相原久美子氏が得た桐生325票、みどり123票は自治労=公務員労組の票。維新から出た元職・上野公成氏は桐生449票、みどり198票だった▼選挙に興味のある人には、いろいろと参考になる数字だ。(成)

真夏の風

 週に1度の「漢字ぱずる」は本紙の人気コーナーのひとつ。「いつも楽しんでるよ」と読者の支持率は高い▼それあやかって、素人ながら問題を作ってみた。ネタは参院選の結果を報じるきょうの朝刊の見出し。問題「□の文字を埋めよ。①真夏の安倍□□②自民□□□がっちり③□□こぼれる民意④『□□』で関心低下」。ヒントは「風」▼さて、いかが? 紙面の都合で「答えは○面に」とはいかない。答えは①は読売の社会面で「旋風」②は日経の社会面で「追い風」③は東京で「強風」④は毎日の群馬県版で「無風」―でした。①②は説明するまでもなく「自民圧勝」の表現で、③④は低い投票率に関する記事の見出し▼「強風こぼれる民意」と表現した東京は、“少数意見の存在も忘れるな”と言いたげ。「『無風』で関心低下」との見出しをつけた毎日は、“現職に挑んだ3陣営がまったく歯がたたなかった”と“それが低い投票率に表れた”と分析しているようだ▼暑いときは扇風機を「強風」にしたい。が、つけっぱなしでつい寝てしまうと、寝冷えすることもある。タイマー機能を使うなどして、あたり過ぎないよう心がけたい。今夜も暑そう。ご用心。(な)

100と80

 桐生・みどり両市の小中学校はきょう20日から夏休み。運動をしている子どもたちにとって、休みの間は実力を高める絶好の時期になる。暑い中の練習は大変だが、熱射病や夏風邪に注意しつつ、上達に励んでほしい▼「練習は100の力で。試合は80でいい」。法政大学野球部監督に就任した桐生市出身の神長英一さん(53)にインタビューした際、試合と練習の力配分に話が及んだとき、名将は「試合で能力を発揮するには練習で目いっぱいやる。これを逆にすると選手は失敗する」と説いた▼「練習を80や90でやって試合で100を出そうとする選手が多いが、それは無理」との指摘は全くもって正論で、本番で力加減が必ず狂う。「レベルを高いところに置きながら、一人ひとりが100を出せる中で80で戦い、勝てるチームが理想。100を出さないと勝てないのは安定感がない。8割で達成するのが本当の実力」と語った▼「チームプレー、チームワークというが結局は個人。だから、練習は自分のためでいい。ゲームになったらチームのためにやろうと言ってきた」とも。野球に限らず、すべての団体競技に当てはまる金言であろう。(悠)

解消法

 広ーい湯船の真ん中で、ぬるーい湯につかって、ふわふわと漂いながら、見上げる青い空。風が出ているのか、雲がすじのように流れ始めた。庭木のサルスベリの花は開きはじめ、シオカラトンボがあっちへこっちへすいすい飛んでいる。ああ、夏の夕暮れ▼年に何度か、平日の休みの日、日帰り入浴施設の露天風呂へ行きたくなる。なんともいえぬ、のんびりとした時間と空間を味わう。ひとしきり、だらーっとした後は、鼻の中がヒリヒリ焼けそうなサウナで玉の汗を流して、きゅっと引き締める。ストレスがすーっと消えていく▼帰りに元工場に寄ってビリヤードして、自宅では扇風機の風を浴びながらベッドに転がり、沖縄民謡やらビーチボーイズやらを聞きながら、ゲームしたり本を読んだりDVDを見たり猫と遊んだり。これまたストレスがすーっと消えていく▼仕事だったり人間関係だったり、日常生活を送るというのはストレスをためることでもある。解消する手段は人それぞれだろうが、自分自身、その選択肢がたくさんあるのはいいなと思う。一つがだめでも別のがあれば、どうにか解消できるし▼いろんなことに興味を持つのは、やっぱり悪いことではないな。(篤)

異文化を多彩に

 畏敬するロシア語通訳者でエッセイスト、米原万里さんの文章が、折々脈絡なく脳裏によみがえることがある。桐生市市民文化会館の4階にいるときとか、TPP交渉に関するラジオニュースが流れてきて、先日は群馬大学理工学部の交換留学生と対面していて…▼6カ国語が飛び交う国際会議の経験などないが、彼女が存命中の先進国首脳会議では、英・仏・独・伊・露語は直接それぞれの言語に訳されるのに対し、日本語はまず英語に翻訳された上で他の言語に訳されたという。常に英語的フィルターを通してしか世界と対話しないなんて、属国のようだ▼かつて漢字を取り入れ、鎖国時代は蘭学が進歩的で、明治には国語を英語にするか、仏語かエスペラント語か。ローマ字化も提起された。母語を捨てようなんて他国では信じられないだろうが、いまの世は英語化を国際化とのたまう▼日本人の英語がいちばん通じるのはドイツ人だという説がある。インド人が言い張る言葉が分からず発音記号で理解し、フランス人の頻発した単語をモノを見て了解し、タイ人の表現は前後の文脈で類推したり、英語にもお国なまりがあるのだ▼だから異文化コミュニケーションは面白い。(流)