カテゴリー別記事: ぞうき林

共有する時

 桐生の市街地から大間々方面へ車を走らせていると、川内町の下須永橋のところで、橋の下をのぞきこむ幼児の集団が目に入った。保育園の散歩のようだが何をしているのだろう。すれ違う瞬間、はっと思い至る。サケを見ているのだ▼遅い台風がもたらした大雨の影響か太田頭首工を越えて遡上(そじょう)するサケが例年より多いという。“サケ担当”の記者のところには各所から情報が集まり、高津戸ダム下での目撃談も寄せられた。その後も何度か下須永橋の付近を通ったが、そのたびに川を眺める人に出くわした▼きのう買い物に訪れたコンビニではレジ横にアイソン彗星(すいせい)のコーナーが設けられていた。観測用の双眼鏡や早見盤などが置かれている。昨年5月の金環日食フィーバーを思い出すが、今回も同じようなことが起こるのだろうか▼価値観が多様化し、異なる世代で同じものを楽しむ機会は少なくなっている。そんな時代でも、自然現象は世代を飛び超える力を持っているようだ▼先を急いでいたため、園児の姿を撮影することはかなわなかった。2013年の秋にはこんなことがあったと、多くの人々が思い出せる光景を記録することができず、残念だ。(野)

慣れ

 朝晩の寒さに体が、だいぶ慣れてきた。寒いものだと思えば、それなりに対応できる▼桐生市が今年度導入した防災ラジオの試験放送が23日午前1時半という未明、多くの人は寝ているだろう時間に誤発信されてしまった。大音量だから「何事だ」と飛び起きた人も多かっただろう▼わが家では、東日本大震災が発生する2カ月ほど前、緊急地震速報が大音量で流れるインターネットに接続するための無線LANルーターに取り換えた▼私は家にいなかったので直接聞いていないが、同震災が発生した際は大音量で地震発生が流れたと家族から聞いた▼その後、「震度3の地震が来ます」といったような放送が流れてくるのを直接聞いた。地震が起きてから流れてくる場合もあるし、「あと30秒で地震がきます」と流れ、その通りに来る場合もある▼当たり前だが、突然来るのでびっくりする。で、地震がたいしたことがないと「なんだよ」と思ってしまう。もしかしたら命を左右する放送かもしれないのに、やがて「うるさい」と思うようになってしまう。その年は地震が多かったので、夜寝る際は、コンセントを抜くようになってしまった。これも“慣れ”なのだろうか、ちょっとまずい。(ほ)

エキサイト3

 「興奮の3日」と名付けてみた。17日、23日、24日。すでに3分の1は終わったが、あとの2日は「その日が来る前だからこその楽しみ」として今、心躍らせている▼17日、桐一が全国高校サッカー選手権への出場を決めた。前橋育英を1―0で破っての2年ぶり2度目の優勝。群馬の高校サッカー界は「育英と桐一の2強時代」になった。桐一が1月2日の初戦にどんなサッカーをするのか今から楽しみだ▼育英を破るゴールを決めた乾貴哉選手(2年)は、ザスパクサツ群馬の乾大知選手(23)の弟。それに刺激されたのか、数時間後に同じ会場で行われたJ2の試合で兄はフル出場し、2位神戸から勝ち点1をもぎ取った▼そのザスパと対戦するため、あさって24日、日本代表の遠藤保仁選手のいるガンバ大阪が前橋にくる。同選手が出るか定かではない。が、「見られるかも」と思うだけでもわくわくする▼そしてあす23日は桐一出身のJリーガーが対戦する“歴史的な日”になるかもしれない。鈴木武蔵選手(19)のいる新潟と、蜂須賀孝治選手(23)のいる仙台がJ1でぶつかるのだ。場所は新潟の東北電力ビッグスワン。2人が出場することを祈る。(な)

さのまるジャンプ

 ステージ上をせわしなく動き回る。かと思ったら突然立ち止まり、高さ1メートル超のステージ最前列へ。下をのぞき込むうちに前のめりに…。「あ、あぶないっ」。観衆から一斉に悲鳴が上がった▼そんな心配をよそに、意外なジャンプ力で着地に成功したのは、栃木県佐野市のご当地キャラ「さのまる」。その軽快で愛らしい動きに魅了された観衆に、あっという間に囲まれる人気ぶりだった▼先週末に桐生運動公園で開かれたグルメイベント「ぐんまvsとちぎ・ウマいもん合戦」のご当地キャラステージ。桐生市のキノピーや群馬県のぐんまちゃんをはじめ、両県から2日間で計11体のご当地キャラが登場した▼さのまる人気は群を抜いていた。佐野ラーメンのお椀をかぶり、いもフライの剣を袴に着けたピカチュウ似の白い犬。そのビジュアルに加えて動きも軽快とくれば目立たないわけがない▼昨年のゆるキャラグランプリ4位。8日投票終了の今年は暫定2位(10月7日時点)につけ、同3位のぐんまちゃんと競り合う。ちなみにキノピーは同149位▼最終結果発表は今月24日。キノピーもステージパフォーマンスを考えたほうがいいのかもしれない。(針)

人が来る悩み

 11月も下旬を迎える。きょう20日まで行われるえびす講を過ぎるとぐっと冷え込み、季節は晩秋から冬へと移ろっていく。いよいよコートの出番が来る▼初旬まで開催された桐生ファッションウイークは群馬大学理工学部キャンパスを主会場とする「第8回クラシックカーフェスティバルin桐生」をはじめとする40超の行事の連続開催でにぎわいをみせた。同フェスティバルは、主催者発表で過去最高となる2万3000人が訪れた▼参加260台のうち、59台が桐生、みどり両市を走るラリーに出場。古いまち並みが残る大間々町の本町通りや赤いアーチが印象的な高津戸橋を通ることもあり、みどり市の方々の協力も得て、車が通る時間に合わせて手旗を振ってもらった。また一つ、地域とのつながりが深まった感じだ▼にぎわいを年々増すにつれ、課題になってきたのが交通渋滞。群大周辺の駐車場に限りがあるため、中心市街地がほぼ終日混雑する。人が来る故の「うれしい悩み」とも言えるが、観光に力を入れるなら同様の問題は別の機会でも今後起こり得るはずで、まちとして来場者をどうさばくのかを真剣に考える段階に来たように思える。いい知恵を出し合いたい。(悠)