カテゴリー別記事: ぞうき林

まつりと露店

 今年は桐生八木節まつりと大間々祇園まつりが2日間重複した。8月1〜3日の「日付開催」である大間々に対し、桐生は8月第1金〜日曜の「曜日開催」であるため、数年ごとに日程が重なる。今年のように2日間重なるのは2002年以来11年ぶりだ▼両まつりの日程が重なると、どうしても割を食うのが大間々のほう。桐生警察署への今年の露天商の出店申請は桐生が230件に対し、大間々は70件。昨年の大間々は少なくとも140件というから文字通り半減した格好で、「規模や知名度で上回る桐生のほうが売れる。重なったら売れるほうに行く」というのは当然の理屈だろう▼だが、露店の増減には別の要素もあるらしい。大間々に店を出した露天商の話では、7月に参院選があると、投票日に開催予定の各地のまつりが日程を変更し、通常では起きないまつり同士の重複が生じるというのだ。各地を渡り歩く露天商にとっては、まつりの数が多いほど商機が増えるわけで、出店場所を絞らなければならない日程重複は露天商にとっても好ましくない、というわけ。「3年に1度の参院選は怖いですよ」とその露天商▼露店の数は「まつりごと」にも影響を受けるということか。(成)

「大使」の協力

 桐生市観光大使として、本市のPRに一役買ってくれることになった篠原涼子さん。芸能界の真ん中にいる人だけに「ふるさとは桐生です」というひと言だけでも宣伝効果は大きいだろう▼観光客が増え、地域にお金が落ちるという産業効果だけでなく、市民が胸を張って「桐生は篠原さんのふるさと」と言える“文化効果”も期待したい。相乗効果ともいえようか。ウイン―ウインの関係が続き、数年後には、桐生市も篠原さんも、ともに「大使に任命してよかった」「大使に任命されてよかった」と感じられるようになってほしい▼子どものころ、「マグマ大使」というテレビ番組を時々見ていた。原作は手塚治虫。正義の味方のロボットが地球征服を狙う悪いヤツから地球を守るという30分番組。その特撮の映像に心が躍った。窮地に陥った子どもが笛を吹くと必ずマグマ大使が現れ、地球を救ってくれるという物語だった▼「助けて〜、○○大使」。魔法の笛を吹くと神様のような力を発揮してくれる正義の味方が登場する場面は、いつもカッコよかった。そして、大使が忙しいときは時々、子どもや奥さんが飛んできた▼篠原さんも、忙しいときは家族で協力してもらえないかなぁ。(な)

子どもたちへ

 喜怒哀楽という言葉があります。喜んだり、怒ったり、悲しんだり、楽しんだり。人間が本来もつ心の動きをいいます▼四つだけではありません。びっくりしたり、感心したり、親近感をもったり。そんなふうに心が揺れ動かされた体験を、「だれかに伝えたい」と思ったことはありませんか▼桐生市立商業高校ビジネス研究部のイベントで、小学生に地域紙記者を体験してもらいました。記事の書き方や写真の撮り方は二の次。子どもたちには、取材中の自分の心の動きに耳を澄ませてほしい、とお願いしました▼喜怒哀楽とまではいかなくても、驚きや感心、親近感など、ちょっとした心の動きに気づけたら合格。「だれかに伝えたい」という思いさえあれば、写真を撮って文章を書くことが、きっと楽しくなるはずです▼今回のテーマは「一生懸命」でした。仕事体験中の小学生、ステージの出演者、裏方で走り回る桐商生…。子どもたちは思い思いの一生懸命を見つけて、写真と文章で上手にまとめてくれました▼きょう開幕の大間々祇園まつり、あす開幕の桐生八木節まつりにも、きっとたくさんの一生懸命があるでしょう。あなたの伝えたい一生懸命を、会場で見つけてみませんか。(針)

音楽の融合

 ザ・ビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハート・クラブ・バンド」のなかに「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウイズ・ダイヤモンド」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」「ゲッティング・ベター」「グッド・モーニング・グッド・モーニング」という曲がある▼カタカナ語の多さですでに脱落した読者がいるかもしれないが、ひるまず進めたいと思う。これらの曲はベース進行の新鮮さ、ドラムスの存在感、電線のうなりのようなインド楽器の音、ブラスセクションとロックの相性のよさで当時の若者の心をがっちりつかんだ▼音楽と音楽、楽器と楽器は出合えばきっと融合に向かい、関係は次代へつながれていく。そして融合はしても分離はしない。それが音楽の最大の特徴であり、さらに言えば文化そのものの特徴なのだ。個を生かす融合のあり方を考えるとき、いまも指標として思い浮かぶ曲である▼独奏や独唱、合唱や合奏、合わせ方は行く通りもあり、音楽用語の多彩さに見られるように表現の領域は広く質も豊かだ▼聞いたりうたったり奏でたりするだけで人がしぜんと通い合える音楽というアイテム。すごいなと、あらためて思う。(葉)

地域発の変革

 CAD(コンピューター利用設計システム)のデータに基づき、樹脂で立体造形する3Dプリンター。ものづくりを大きく変える可能性を持つこの製品と、当地との深いつながりに気持ちが高ぶった。桐生市出身の坂口信貴さん(39)が「オープンキューブ」(横浜市)を立ち上げ、国産初の本格量産機の触れ込みで展開する▼企画した坂口さんだけでなく、量産化に当たりアドバイスしたのも府中市で企業を経営する桐生市出身の片桐勝利さん、オープンキューブの経営に顧問として参画する積田有平さんは桐生高校の同級生、そして生産も市内と、まさに桐生づくしの製品。今月29日だった発売予定は来月14日になった▼プリンターには、市場を握る米国製ではなく国産機で日本のものづくりを変えたい、そのきっかけを桐生からつくりたいという坂口さんの思いが詰まっている。同世代の経営者らを中心に地域で呼応する動きも進んでいる▼第一歩が、子どもを核にした地域活性化を目指す「キッズバレイ」が市内で来月催す「群馬ベンチャーサミット」。坂口さんを講師に迎え、機器も展示実演する予定。地元での初披露となるだけに、多くの人に見てもらいたいものだ。(悠)