カテゴリー別記事: ぞうき林

無辺の行脚

 OKバジこと垣見一雅さんを通じて、ネパールの山村の人々の自立に向けた支援を続けてきた桐生の市民グループ「OKバジを支援する会(OKSS)」。初代会長富澤繁司さん、2代目山岸正雄さんが相次ぎ他界し、3代目を富澤均さんが引き継いだ▼寄付金は23年間で累計約5500万円。ジープ購入や図書館建設、大地震被災者への緊急募金もあったが、教育や水やヘルスポスト、橋、バイオガス、トイレなど生活の質の向上に使われ、村々には「OKSS」の文字板が増える▼今年バジに同行してきた2人の校長も、他のNGOと違ってバジは経費を引かず全額を、的確に公平に辺境の地まで届け、人々が意欲的になったと明言。それどころか専用のはずのジープは救急車代わりに、いまも山道を歩き続け、シャツの穴は現地の人より多く、帰国中は一駅歩いて電車賃を貯める。バジは神様のように思われているという▼総会で大澤和子さんは宮澤賢治の「雨ニモマケズ」を暗誦した。バジは復唱しながら「そういうものに、わたしはなれない」と笑う。きょう6月8日が78歳の誕生日、でもOKバジはネパールでは23歳。よく見聞きしわかり、そして忘れず、世界を変えていく。(流)

不審者増殖中

 携帯電話の受信メールで、子供や女性に対する声かけやつきまとい、公然わいせつなどの不審者情報が増えてきた▼県警や桐生、みどり両市が配信しているもので、その数は、今年1月から4月までは計7件だったが、5月は少なくても3件、6月は既に3件となっている▼内容をみると、5月は桐生市新宿と相生町一丁目地内で男が下半身を露出し、みどり市笠懸町阿左美地内では下校途中の女児が男に声をかけられる事案が発生。6月は広沢町間ノ島と笠懸町阿左美地内で女子高校生が若い男に追いかけられ、広沢町地内では男児が男に声をかけられる事案もあったという▼これらは重大・凶悪事件に発展する恐れもあるから軽視できない。実際、3日付の本紙には、新里町で、夜間に徒歩で帰宅途中の女性が男に後ろから抱きかかえられ、口をふさがれるなどの暴行を受ける強制わいせつ未遂事件が発生し、容疑者が逮捕されたという記事が載ったばかりだ▼最も危険なのは無防備でいること。通勤・通学路に不審な人や車がないかなど周囲を警戒し、いざというときは大声を上げたり防犯ブザーを鳴らせるようにしておくなど、被害に遭わない手立てを考えてほしい。(

言葉にできない

 「桐女パワーって何ですか」。太田出身の新人記者から問われたとき、桐生女子高校のOGでありながら、うまく言い表すことができなかった。桐女生が学校行事などに傾ける、ちょっと度を越した情熱と言えばよかっただろうか▼今年、創立110年を迎える桐女。その記念誌に掲載される座談会で出てきた彼にとっては初耳の言葉。記事の中で前置きなく扱って通じる言葉なのか疑問に思ったという。確かに、桐女と関わりない人間からすれば分からない言葉だろう▼模擬店やお化け屋敷はなく、クラスごとにテーマを設定し、発表を行う桐女の文化祭「すずかけ祭」。取り上げる題材は堅い方が評価が高くなるとされ、記者が高校生のころは第2次世界大戦とごみ問題が人気だった。それをいかに来場者を飽きさせず、伝えることができるか。「その情熱と時間を少しでも勉強に向けてくれれば」と、先生を嘆かせるのも伝統だった▼学校行事に費やす時間は年々減少しているようだが、取材で学校を訪れると変わらない空気がある。桐女パワーを感じる「すずかけ祭」は10、11日に行われる▼2021年に桐生高校と統合される桐女。この言葉にできない力を継承するのは難しいだろうか。(

サッカー週間

 7日夜から14日未明までの1週間は、まさにニッポンサッカーウイーク。この7日間に、なんと、日本代表の試合が四つもあるのだ。男子と女子各2試合。全てテレビの生中継がある▼男子はワールドカップ(W杯)ロシア大会のアジア最終予選のイラク戦(日本時間13日午後9時半から、会場はイラン。NHKBS、テレ朝で)と、その前の壮行試合(7日午後7時半から、相手はシリア代表、会場は東京。日テレ)▼女子の2試合は、みどり市笠懸町出身の大矢歩選手(22)=愛媛FCレディース=が招集された「なでしこジャパン」の欧州遠征の国際親善試合。まずオランダとの試合が日本時間10日午前1時半から。次のベルギー戦は現地時間の13日夜で、日本時間だと14日午前3時から。どちらも、BS日テレで生中継される▼大矢選手は本来フォワードだが、今回はディフェンスとして招集された。女子W杯でも活躍したあの鮫島彩選手や熊谷紗希選手らとともになでしこの守備陣の一角を担うことになるかもしれない。監督は大矢選手の攻撃力と一対一の強さを評価している。体格差のあるオランダ、ベルギーの選手相手にどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみだ。(

地元鐵道の闘い

 わたらせ渓谷鐵道が苦しんでいる。5月22日に水沼―花輪駅間で発生した検査用車両の脱線事故で、大間々―間藤駅間が運休し、線路の再点検を余儀なくされたためだ▼3日時点で運行再開のめどは立っておらず、同社は少なくとも8日までは代行バスを出すと発表した。だが9日から再開できるとは限らない▼わ鐵の1日あたりの乗客は単純計算で約1100人。10日運休すれば延べ1万人以上の足に影響が出る格好で、事故からすでに12日間が経過している。看板のトロッコ列車も運行できず、新緑シーズンなのに多くの観光客を失っている▼「二度と事故を起こせない」。樺澤豊社長は悲壮な決意で、運行再開を延ばしてでも線路を徹底的に補修すると表明。カーブ区間を中心に傷んだ枕木約400本を交換する作業に着手した。枕木交換にかかる時間と労力は1本でも相当なものだ▼復旧を応援しようと、同社には飲み物の差し入れや寄付金が寄せられている。枕木1本分に相当する1万円を寄付した男性(62)は「もともと経営が大変な鉄道。少しでも支援の輪が広がれば」と期待する▼再開後も、経営的な負担がのしかかるのは必至。地元鉄道の懸命な闘いを何とか応援したい。(