寄り添うもの

 ここぞというときに写真にうまく入らない人がいる。群馬高専名誉教授の小島昭さん(72)だ。こちらの腕の問題もあるけど、それだけじゃない。気づいたのは3日のイベント「こじまあきら先生のサイエンスマジック」だ▼研究と並行して子どもの科学普及に取り組んでいる小島さんの「サイエンスマジック」は、数十人の生徒に対して先生は1人。グループに分かれて実験するときにはスタッフが補助する。こんなとき、実験を楽しむ子どもたちと小島さんが寄り添う写真がほしいのだけど、撮りにくい。だって小島さんはひとところに落ち着かず常に動いてる▼参ったなあ、なんて目で追っていて、ようやく気が付く。動き回るのは全体の安全を常に自分自身の目で確認しているから。何気ない足運び、些細な動作にすら、実験を楽しむ子どもたちへの気遣いが見えて、ちょっと発見▼科学に親しんでもらうには無事故でイベントを終えることが大前提で、十数年来、それを実践してきた。きっと次の「サイエンスマジック」でも小島さんはくるくる動き回る。そして、子どもたちには「不思議に思う気持ち、好奇心を大切にしてほしい」という小島さんの一途であたたかい思いが寄り添うのだ。(並)

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