所変われば

 豆腐の調理で毎度悩むことがある。水分だ。基本的に大豆と水でできている食品なのになぜかというと、みそ汁やマーボー豆腐などでなく、ステーキとして焼くのに限った場合だ。重しを使って水を抜いても、フライパンで熱をかけたときにどうしても水気が出るのが面白くない。重しの重量で傾いて崩れたり変形したりするし▼世界的な和食人気が続いている。ドイツでも豆腐は一般家庭に食材として浸透しているのだそうだ。リモコンボタンをいじってテレビをザッピングしていると、日独の職人がうまい豆腐づくりで一騎打ちする番組をやっていたので、何気なく眺めていたら、ドイツ人の職人が言うのには、同じ豆腐でも作り方が全然違うのだという▼いわく、ドイツのは水分が少なめで、かたい。どうしてかというと「肉の代わりに使うから」。近い食感を出すために、そのような製法が主流だと説明していた。「大豆は畑の肉」と例えられるけれど、まさにその役割を果たしているわけ。所変われば品変わるである▼ステーキ派としては、肉のような豆腐がうらやましい。すき間もすき間だろうけど、それなりに需要はあると思うんだけどなぁ。(悠)

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