同名のよしみ

 五輪メダルをあんなに近くで見たのは初めてだった。しかも、あのボルト選手のジャマイカと競った末の銀メダル。遠い世界の出来事が一気に身近になった▼リオ五輪の陸上男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した桐生祥秀選手(20)。所属する東洋大が先月都内で開いた五輪報告会に、同名のよしみで応援を続ける桐生観光協会役員らと出席した▼約700人の関係者が熱い視線を注ぐステージ上で、同大五輪選手団の一人としてあいさつする桐生選手。あまりの場内の熱気に、お祝いの酒を持参した桐生観光協会の役員が桐生選手と言葉を交わすのは難しそうだった▼そこで奮闘したのが、桐生市新里町在住で同大陸上競技部OB会名誉会長の小池文司さん(79)。まだ式典は続いているのに、桐生選手を笑顔で手招きし、ステージの隅に呼び寄せる▼すかさず桐生観光協会の役員が声をかけ、桐生選手に祝いの品を手渡して写真撮影。だから10月22日付本紙16面の掲載写真は、桐生選手がしゃがんでいるように見える。実はまだ式典中のステージ上だったのだ▼「桐生の名前を広めます」と熱っぽく語ってくれた桐生選手。次は日本人初の100メートル9秒台を心待ちにしている。(針)

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