試金石

 「事務的行き違いで生まれた問題だろうけど、桐生とみどり両市がコミュニケーションをとれない環境が心配です」。桐生厚生総合病院負担金問題を俯瞰した言葉は前院長、丸田栄さんのもの。「ここは両市が支え合って初めて成り立つ病院ですから」と雑談の延長で続けた柔らかな声は、確かに問題の本質を指していた▼同病院に対する両市の2016年度負担金で、算定方法をめぐる見解の違いから生じた不足金332万円。解決を図る会合では、17年度中に両市が責任をもって支払うこととどちらがどのように支払うか示した合意書を10月までに交わすことが決まった▼両市は互いが納得できる着地点を約半年間で模索するが、現在も332万円の支払い元について互いの主張は平行線。調整は難航するだろう。退職を翌日に控えた丸田さんは「背中合わせにならず手を取りあって協力を。病院だけでなく、今後の両市の関係にもかかわる」と残した▼この問題が前向きな決着をみるかどうかは合併に代わる新たな関係構築に向けた両市の試金石。だからこそ、調整のテーブルに着くときは視線をそらさず向き合って、最後は互いの手を握れますよう。丸田さんの言葉を反芻して願うのだ。(

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