春が行く

 前橋地方気象台がソメイヨシノの開花を発表した2日、取材がてらに桐生みどり地区の桜の様子を見て回った。桜をめでるイベントがあちこちで開かれていたが、開花は大幅に遅れ、残念ながら花のない花見となった▼昨年は満開の中で迎えたイベントも多く、今年は1週間から10日は遅れていると、地元の住民からは残念がる声がこぼれていた。ただ、イベント自体はそれぞれ盛り上がりをみせており、先送りされた満開の景色を想像しながら、団子を食べたり、音楽を聞いたり▼間もなく訪れる楽しみを待っているときが、一番楽しい時間なのだと、私たちは知っている。日に日につぼみが膨らみ、開花してゆく花を見ながら、満開よりもつぼみを残した今ごろの方が、そわそわと気分が落ち着かない。春の訪れを実感できる、特別な時間なのかもしれない▼きのう突然の雨の後、明るくなり始めた空に2羽3羽と飛び交うツバメの姿を見た。自分にとっては今年の初観察である。これから初夏に向け、彼らは湿地に舞い降り、泥を運んでは、せっせと巣作りに精を出す。ツバメの姿に初夏が折りたたまれているようだ▼週末こそは花の見ごろ。それが開ければ季節のページもまた、めくられる。(

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