地元鐵道の闘い

 わたらせ渓谷鐵道が苦しんでいる。5月22日に水沼―花輪駅間で発生した検査用車両の脱線事故で、大間々―間藤駅間が運休し、線路の再点検を余儀なくされたためだ▼3日時点で運行再開のめどは立っておらず、同社は少なくとも8日までは代行バスを出すと発表した。だが9日から再開できるとは限らない▼わ鐵の1日あたりの乗客は単純計算で約1100人。10日運休すれば延べ1万人以上の足に影響が出る格好で、事故からすでに12日間が経過している。看板のトロッコ列車も運行できず、新緑シーズンなのに多くの観光客を失っている▼「二度と事故を起こせない」。樺澤豊社長は悲壮な決意で、運行再開を延ばしてでも線路を徹底的に補修すると表明。カーブ区間を中心に傷んだ枕木約400本を交換する作業に着手した。枕木交換にかかる時間と労力は1本でも相当なものだ▼復旧を応援しようと、同社には飲み物の差し入れや寄付金が寄せられている。枕木1本分に相当する1万円を寄付した男性(62)は「もともと経営が大変な鉄道。少しでも支援の輪が広がれば」と期待する▼再開後も、経営的な負担がのしかかるのは必至。地元鉄道の懸命な闘いを何とか応援したい。(

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