ヒアリの行方

 国内各地でヒアリ発見の報告が相次ぐ。兵庫県尼崎市、神戸市、愛知県弥富市、大阪市、さらに東京都の大井ふ頭と、港湾のコンテナ内などで次々と見つかっている。新潟県長岡市で見つかったヒアリらしきものは、ヒアリではなかったようだが、すでに内陸にまで拡散していても不思議ではない▼環境省の資料「ストップ・ザ・ヒアリ」によると、ヒアリは南米中部原産で、体長5ミリ前後。赤茶色をしており、腹部は赤黒い。「毒性が強く、毒針で刺されるとアレルギー反応で、場合によっては死に至ることもある」とも記される。ヒアリは「火蟻」で、火傷のような激しい痛みを伴うことが、その名の由来だという▼小さな生物の移動には、人の営みが深くかかわる。居心地のいいコンテナで暮らしていたら、そのまま船に積み込まれ、海を渡って異国に到着。さらに列車に揺られ、いつの間にか内陸へと足を延ばす。そこが繁殖に適した環境ならば、生息地になるだろう。人にとってもアリにとっても驚きの展開だ▼米国、中国、台湾などではすでに生息が確認されている。経済活動が盛んになればその分、こうしたリスクは高まる。いつもと違う生物の存在に気づくためにも、日々の観察が大切になる。(

関連記事: