再会を待つ

 その少年はひときわ目を輝かせながら、食い入るように実験を見つめていた。「水に浮く軽~い金属を作ってみよう」と題した研究体験。「ものづくりが大好きなんで、そういう道に進みたいんです」と彼は興奮ぎみに語った▼群馬大学理工学部で7月30日に行われた高校生向けの体験イベント。大学や研究機関で行われている最先端の研究成果に触れることで、子どもたちに科学のおもしろさを感じてもらう日本学術振興会のプログラムの一環だ▼テーマは、スポンジのように材料の中に空気の孔がたくさん入ったポーラス(多孔質)金属。重くて硬くて冷たい従来の金属のイメージとは真逆で、軽くて柔らかくてぬくもりのあるユニークな新素材という▼ロケットや飛行機、電車、自動車…。軽量で変形しにくく局所的な力に衝撃吸収性を示す同素材が、今後どのように活用されていくのか考えるだけでワクワクしてくるそうだ。根っからの文系人間の自分にも、少年が発する熱は確実に伝染した▼「まずは合格できる学力を身に付けるのが先決」と笑う少年は、静岡県富士市の自宅を朝5時すぎに出発し、数時間かけて来桐したという高校2年生。桐生で再び会える日を心待ちにしている。(

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