言葉の響き

 家を出て、アスファルトに落ちる影の濃さに気付く。見上げれば青い空が広がり、太陽がひときわまぶしい。ゆっくりと北上していた台風5号は、聞いている範囲ではこの地方にさしたる被害を出さずに日本海に抜けて温帯低気圧になり、台風一過の夏の空。厳しい暑さになりそうだ▼じんわりにじむ汗のべたつきを防ぐのに、天花粉を重宝している。要は「ベビーパウダー」のこと(厳密には違うらしい)で、50歳をすぎてなお「ベビー」とはいかがなものかと、あえて天花粉と呼んでいるのだが▼しかしまあ何というか、「天花粉」というのはいい言葉だ。趣というか叙情的というか、字づらもいいし、音としての響きもいい。暑い夏には特に、なんとも清涼な感じがして、いい▼「果物」を「水菓子」という昔の呼び方も、暑い夏には特に、いいなと思う。「白桃」というよりも「水蜜桃」と呼んだ方が、暑い夏には特に、いいなと思う。気分の問題なのだろうけれど、音や字づらの印象というのは考えている以上に影響のあるものなのだなと思う▼8月上旬、まだまだ暑い日が続く。体にこたえるのは間違いないが、言葉を含めていろいろ工夫して、せめて気分はすっきりと、清涼にすごせれば。(

関連記事: