1594日

 成長曲線という言葉がある。が、必ずしも曲線とは限らない。とあるスポーツチームで、コーチのお手伝いがてら、小学生たちと接していて、常々抱く偽らざる実感だ▼練習すれば練習した分だけ、右肩上がりで成長していく―。そうなれば分かりやすいが、実際にはその逆がほとんど。一生懸命に努力をしても、成果はなかなか表れない▼しかし、努力を続ける子には必ず、急成長する瞬間が訪れる。成長曲線で言えば、真横に伸びる長い線が、突然真上に跳ね上がる。曲線というより階段状。その瞬間がいつ来るかは分からないが、続けている限り必ず訪れるのは確かだ▼陸上男子100メートルの桐生祥秀選手が9日、日本選手初の9秒台を記録した。新勢力が次々と台頭した6月の日本選手権に敗れ、8月の世界選手権で個人種目の出場を逃した直後。17歳で10秒01を記録してから1594日、真横に伸びた線は突然真上に跳ね上がった▼実は不器用だと聞くと、どことなく親近感がわく。「時間がかかるけど、一生懸命やってできるようになったら忘れない。そこが強み」とは本人談。伸び悩んだ先には必ず、急成長が待っている。応援したくなる理由は、決して名前だけではない。(

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