飛行機雲

 先週の木曜、会社に戻る道すがらふと空を見上げて、驚いた。飛行機雲がすーっと伸びていた。1本や2本ならたまには見るが、このときはざっと数えて5本以上。微妙に角度をつけて伸びる直線の白い筋が、うっすらあかね色に染まった夕空に、縦横に交差していた▼何だこれ、すげえなあと、まず見た目で驚いた。そして、桐生の上空にはこんなにたくさん飛行機が飛んでいるのだなあと改めて知った。たぶん、行き来している数はふだんとそう変わらないのだろう。薄い雲のおかげで、それがあらわになった。「見えぬけれどもあるんだよ」という金子みすゞの詩を思い出した▼調べてみたらこの日、関東地方では「幻日」や「環天頂アーク」「環水平アーク」といった太陽にかかわる自然現象も見られたという。いずれも太陽光が雲に反射して起こる現象なので、つまり、薄い雲に覆われていた、もしくは上空に水分(氷晶)がけっこうあったということらしい▼いくつもの飛行機雲に驚きつつ、美しいなと思いつつ、正直、何か緊急事態が発生してスクランブル発進でもしたのではないかと心配してしまう自分がいた。こんな不思議な現象を素直に受け止められない、いやなご時世を憂う。(

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