14年前の忘れ物

 あのときと同じ興奮が、試合前の会場を包む。王者に食らいつく挑戦者。「歴史を変える」という意気込み。体をぶつけ合う競技ゆえの緊張感…。全国高校ラグビー県大会決勝で、明和県央に挑む桐生第一の姿を、祈るような思いで撮影し続けた▼「あのとき」とは今から14年前、2003年の同大会決勝戦。19連覇を狙う王者の東農大二に、全国初出場を目指す樹徳が挑んだ。4度もリードが入れ替わる激戦の末、樹徳が終了間際に逆転トライを挙げ、桐生勢46年ぶりの全国出場を決めた▼待ちに待ったノーサイドの瞬間。こぶしを突き上げて雄たけびを上げ、喜びを爆発させた桐生っ子たち。18年続いた農二の連覇に終止符を打ち、桐生勢の新たな歴史を刻んだ彼らの雄姿は、今でもくっきりと脳裏に焼き付いている▼そして、きょうの決勝戦。桐一はまだ経験不足だったのか、初の全国大会には届かなかった。桐一フィフティーンの多くは、地元ラグビースクールでの活躍を、幼いころから見てきた子ばかり。全国大会の同行取材を夢見ていたのだが…▼14年前の心残りは、別の取材で全国大会の同行取材がかなわなかったこと。来年こそ彼らが念願を果たしてくれると信じている。(

関連記事: