平成の大久保事件

 「邑楽町らしい」。同僚記者がつかんだ情報に背筋が凍ったのは6日の朝だった。神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかった事件。被害者に東毛地域の女子高生がいるとの情報を受け、にわかに当事者意識が高まった▼9人殺害を供述しているという白石容疑者は、「死にたい」とつぶやく女子を言葉巧みに誘い、犯行に及んだとされる。全貌はまだ不明だが、被害者の大半が若い女性という状況や人数、猟奇性の点で、大久保清事件を思い起こす人も少なくない▼1971年、群馬県内で約2カ月の間に若い女性8人を殺害し山林に埋めた大久保元死刑囚(76年死刑執行、当時41歳)は、画家や中学教諭などと偽っては100人以上の女性に声をかけていたといい、桐生市内の喫茶店で口説かれた女性も犠牲となった。この地域にとっても忌まわしい記憶だ▼大久保は精神鑑定で「精神病ではないが発揚性、自己顕示性、無情性を主徴とする異常性格で、性的、色情的昂進を伴う」とされた。報道で伝わる限り、座間市の事件と重なる点も多い気がする▼犯罪史上に新たな記録を残すだろう座間事件。大久保事件と同い年の身としても、女子高生の娘を持つ父親としても、人ごとではない。(

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