失敗する権利

 トップアスリートの指導者が明かした。伸びる選手に特徴があるのと同じく、その親にも共通の特徴があるという。つまり、子どもの成長を促す親のあるべき姿。いったいどんな共通項があるのだろう▼東京五輪に向けて日本柔道の強化を担う全日本柔道連盟強化委員長で、日大文理学部准教授の金野潤さん(50)。11月26日に桐生第一高校で開かれた同学部体育学科同窓会主催の講演会で持論を語った▼“イチローとチチロー”のような二人三脚の親子関係こそ、トップアスリートを育てる親にふさわしいのかと思いきや、金野さんの答えは全く違った。いわく「子どもと適度な距離感を保てる保護者」▼実際に、幼いころから二人三脚で歩んできた親の過度な期待が、子どもを追い詰めてしまうケースが少なくないという。「親が子どもの目線まで下りるのは大事。だが、子どもと同じ視界でしか見ていない親もいる」と警鐘を鳴らす▼「大人が子どもより優れているのは“失敗の数”だけ。目線は下げても、少し離れた場所から全体を見る。これが大人の責任」。失敗から学ぶ権利を、子どもから奪うなかれ。自分と同じ3人の子をもつ父が語る、自戒を込めたメッセージが胸に響いた。(

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