「訂正とおわび」

 人間の仕事だからミスはつきものだ。素直に認めて謝罪し、改善に努めるのが常識である。だが、産経新聞の8日付「訂正とおわび」に至った報道には、もっと不気味で現代的な病理を感じる▼産経は沖縄市で昨年12月に起きた交通事故をめぐり、米兵が日本人を救出して事故に巻き込まれたと報じた記事について「事実は確認されなかった」と削除した。これを報道しなかった琉球新報と沖縄タイムスの2紙を「『反米軍』色に染まる地元メディアは黙殺」「報道機関を名乗る資格はない」「日本人として恥だ」と非難していたが、その事実自体が確認できなかったとして「行き過ぎた表現があった」と謝罪したのだ▼安倍内閣への忖度か、名護市長選での与党側候補への援護射撃のつもりだったかは知らないが、米兵の「美談」を捏造してまで反基地派を批判したいという情動が背景だとしたら、もはや報道機関の常軌を逸している▼こういうことを書くと「従軍慰安婦問題における朝日新聞はもっとひどい」などの批判が想定されるが、その批判自体も偏っているということはこの際指摘しておきたい。そして、同じ報道機関の端くれとして気を引き締める以外にない。(

関連記事: