ずぶぬれの記憶

 まさにバケツをひっくり返したような激しい雨だった。桐生八木節まつり初日の今月1日午後8時半ごろ。宴たけなわの時間だっただけに、逃げ遅れて全身ずぶぬれになった。自分のように身をもって雨の激しさを実感した人は少なくなかっただろう▼気象庁のデータによると、あの雨でさえ1時間雨量は29ミリだった。同庁の用語説明では「バケツをひっくり返したように降る」とは、1時間に30ミリ以上50ミリ未満の雨のことを指す。冒頭の表現は当てはまらないことになる▼20日未明の局地的豪雨で40人以上の死者・行方不明者を出した広島市北部の大規模土砂災害。気象庁によると、同市安佐北区三入の1時間雨量はピーク時100ミリを超え、同日午前4時までの3時間雨量は史上最多の217・5ミリを記録した▼先月上旬に広島市北部を車で通過したことを思い出す。大型店が立ち並ぶ比較的新しい市街地が、山々のすぐそばまで食い込んでいた。被害が出た安佐北区と安佐南区の「土石流危険渓流」は1355、「急傾斜地崩落危険箇所」は1714に上る▼桐生・みどり市にも、415の土石流危険渓流、478の急傾斜地崩落危険箇所が指定されている。決して他人事ではない。(針)

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