つながった空

 この仕事を始めて、よく空を見上げるようになった。ばたばたした日でも、数回は空を仰ぐ。それはすっかり癖になって、旅先でも幾度となく眺めた。あいにく満天の星は望めなかったけれど、高緯度の町で見えた北極星は高い。カシオペアも天頂近く、首が痛くなるほどの場所に居た▼いつも見ている星が、異国の地で位置を変えて瞬く。空はつながっているのだなあ。ついでに日本との時差を思い出す。太陽が出て星が見えないときも頭上には星が在り続けているんだなあ、見えないからって何もないわけじゃないんだなあ。当たり前を実感して、うっかり胸がきゅうっとした▼11月30日、「はやぶさ2」が地球を飛び立つ。帰還予定は2020年。打ち上げや探査、地球帰還の瞬間は注目の的だ。けれど、目的地にたどり着くまでの行程は地味で、普通は誰も気に留めない。かく言うわたしだって同じ▼でも、期待も無関心も構わずに、ただひたすら淡々と宇宙空間をゆく。かっこいいな。その勇姿を直接見ることはかなわないけど、見えないからって無いわけじゃない。黙ってるからって、何もしてないわけじゃない。いつだって、見上げた空とつながった場所で頑張っているんだろうから。(並)

関連記事: