スポーツと言葉

 「全然ダメでした」。記者会見後、桐生第一高校野球部の高田修平主将は顔なじみの記者にそう話したという▼桐一の春のセンバツ甲子園出場が決まり、開かれた記者会見。高田主将は確かに緊張した面持ちだったが、出場決定の喜びや大会への意気込みなど記者の質問に的確に返答。「立派だった」と伝えたいくらいだったが、本人は納得していなかったようだ▼高田主将ら主力の2年生が生まれたのが1998年。その翌年の桐一全国制覇の記憶は彼らにはない。26年にわたってチームを陰から支え、この大会で野球部長を退く青柳正志教諭への福田治男監督の熱い思いを聞きながら「もうそんなにたったのか」と感慨にふけった▼しかし、いつからスポーツ選手はインタビューへの受け答えがこんなにうまくなったのだろう。桐一出身でサッカーU23日本代表の鈴木武蔵選手に話を聞いた時にも思ったこと。奇抜な髪型とは裏腹に記者の質問に対し、自分の言葉で答えようとする真摯な態度が印象に残っている▼いまどきのスポーツ選手はマスコミ対応も学んでいるのだろうが、取材していると、いまどきの子どもはカメラ慣れしていると同時に「発信する力」も進化しているように感じるのだ。(野)

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