長い視点

 熊本地震発生から1カ月。被災地の地面は今も揺れ続けており、気象庁によると、震度1以上の地震は14日午前までに1430回を超えたという。これほどの活動は「近代観測が始まってから例をみない」と、地震津波監視課長がコメントしている。東日本大震災を経験した上でなお「例をみない」とする言葉づかいに、激しさが垣間見える▼今後最低1カ月は震度6弱程度の揺れに注意が必要だと、専門家の警鐘を聞くたびに、科学によって地震を予知する難しさを改めて思う。地下で起きる地震のメカニズムそのものを、私たちは直接目にすることはできない。できることは、地表やその付近の動きを継続的に観測し、データを取り、過去から今までの傾向を知り、経験に照らして近未来の出来事を推し量ることぐらいだ▼科学技術を使い、人はさまざまな脅威を飼いならしてきた。そこには限界もある。地震予知もその一つなのか。ただ、学問としての地震予知など、まだ始まったばかりともいえる。100年、200年どころか1000年、1万年の単位で観測を続けたとき、見つかる法則があるのではないか。あきらめるのではなく、より広く長い射程でものを見る態度が必要なのでは。(

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