今日の記事: 2017年3月15日

桐生織塾休塾へ、相続放棄で土地・建物公売に

 里山に抱かれた古民家で機音を響かせ、貴重なコレクションを公開して織物やアートにかかわる人たちが交流し、子どもたちの体験学習の場ともなっていた桐生織塾(桐生市梅田町一丁目、新井求美塾長)が、6月の企画展を区切りとして休塾する。現在の土地・建物は桐生市が借り上げて創作工房として提供してきたが、所有者の死去に伴い国税局の公売手続きに入る見込みだからだ。「桐生の近代織物工業発祥の成愛社ゆかりの、かけがえのない地」と新井塾長。活動とコレクションの保管場所を探さなければならず、改めて開塾からの時間を振り返っている。

選抜出場の前橋育英、主力に地元球児

 19日に甲子園球場で開幕する第89回選抜高校野球大会。前橋育英には6年ぶり2回目の出場の原動力となった桐生出身の2選手がいる。捕手の戸部魁人選手(2年)=桐生相生中出身=と一塁手の小池悠平選手(1年)=川内中出身=だ。14日の壮行会・出発式で全校生徒や地域の人から激励を受けた2人は守備で、打撃での活躍を誓い、仲間と大阪へ旅立っていった。

形あるもの

 本のもつ魅力に出合ったことがある人ならば誰しも感じたことがあるであろう気持ち。書架の並ぶ夕暮れの一室でページをめくる指の感覚と本の匂い。ぞくぞくするような読書の楽しさは物語世界にのめり込むと同時に、紙の質感がもたらしてくれるものだと思っていた。なので電子書籍が出たばかりのころは、読みづらいし味気ないとがっかりしたものだった▼美しい装丁の紙の束を買わずに文字列だけ買う。音楽CDを買わずに曲だけダウンロードするのと同じだ。中身さえあればいいと思えば小さな端末で好きなだけ持ち歩ける。保管する場所もとらずホコリもたまらない。最近は電子のページをめくるのもキレがあっていいなと思ったり、重々しい紙の質感を再現したものに出合ったりもして驚く。夜、消灯した寝室で布団にくるまりながら手の中の端末で読書する。今までできなかった姿勢で手軽に読めるのも楽しい▼物体を伴わない仮想現実的な価値にお金を払う機会が多くなってきた昨今。だが、幼い頃に繰り返し読んだ本を本棚の奥から引っ張り出し、めくったときにあふれてくる感慨は何物にも代えがたい。古びた紙からよみがえる当時の感覚。現実に形あるものの持つ力だ。(