今日の記事: 2017年3月18日

国と東電に賠償命令、桐生地区の避難者は「複雑」

 東京電力福島第1原発事故で福島県から群馬県に避難した住民らが、国と東電に計約15億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、前橋地裁であった。原道子裁判長は、津波を予見し、事故を防ぐことはできたと判断、国と東電に総額約3855万円の支払いを命じた。事故をめぐり、国の賠償責任を認めた判決は初めて。桐生地区に避難する原告の一人は「国の責任を認めたのは大きいが、割り切れない思いもある」と複雑な心境を語る。

「障害とは?」体験し考える 新里中央小で平等教育

 社会にある障害を取り除き、障害者も高齢者もふくむ多様な人々が暮らしやすい地域を築こうと、桐生市立新里中央小学校(上原広行校長、児童数355人)で17日、DET(Disability Equality Training、障害平等研修)が行われた。車いすユーザー3人で活動するDET群馬が来校し、卒業間近の6年生58人が体験し考え、「障害」とは何かに気づいていった。

織を極めて

 武藤和夫さんが、逝った。梅田の山里に桐生織塾を訪ねるたび、おだやかな笑みを含んで迎えてくれた。囲炉裏端で「粋」や「ゆらぎ」や「滅びの美学」を語り、ときに銀杏を炒りながらのことも。なにやら日本昔ばなしのようで、かけがえのない場だった▼愛するものたちを守り補い飾るために自らの手で布衣をつくっていた時代から遠く、繊維産業は細分専門特化した。武藤さんのように全般を知り経験を積んだ人はいなかった。教えを乞う人たち、古民家のたたずまいになごむ人たち、異界に忘我する人たちも参じた▼縞がライフワーク。一つとして同じでない裂がていねいに貼られた縞帳に、島渡りの単純だからこそ奥深い、究極の美。絵画や写真や音楽から創作した縞、糸や組織の違いで表現した一色の縞、遊ぶ心から織り出された布たちに目を見張った▼いち早く天満宮骨董市で銘仙を収集した。伊勢崎の繊維工業試験場時代、業界にウールへの転換を指導した張本人だそうで、失われゆく技術への哀惜は人一倍だったろう。銘仙研究会の活動も目覚ましかった▼桐生ファッションタウン大賞の受賞時には「桐生の至宝」と讃えられた存在。真摯に後に続くものたちを、見守ってほしい。(