今月の記事: 2017年8月

理屈抜きの迫力

 思い返すに、自信を持つはじめのきっかけをくれたのは絵だった。小2のときに学校の写生大会で初めて入賞して以来、中学卒業まで一度も選を外さなかった。だが、平凡な模写に多少秀でるからといって〝本物の絵画〟を描けるわけではない▼大学で入った美術サークルには美大を蹴った実力者もいて、世界観を自己表現できる人が目立った。平たく表現すれば作風だ。巧拙は別にしても、ひと目で誰の作品か分かる。そのレベルに達することがとうとうできず、周りがうらやましかった▼有鄰館でお盆期間中に催された「ノンアートから生まれるものは?」展は、挫折にも似たそんな気持ちを久々に思い起こさせてくれた。煉瓦蔵に飾られた数々の抽象画を前にすると、作品そのものが見るこちら側に挑みかかってくるような錯覚を覚えた▼これぞ魂がこもっていると言うべきか。己の内なるものを絵の具ごとキャンバスに叩きつけたような迫力に「こんな絵はどうやっても描けないな」と感じた。アートとノンアートの間の境が実はないのと同じように、障害者と健常者の間にも敷居がないことを訴えんとする展示会の意図が、理屈抜きに伝わってきた。(

早朝にJアラート発動、桐生地区でも“瞬時警報”

 北朝鮮の弾道ミサイル発射による全国瞬時警報システム「Jアラート」の発動を受け、桐生・みどり両市役所では担当職員が対応に当たった。Jアラートは、ミサイル発射を午前6時2分に、日本上空通過を同14分にそれぞれ、群馬を含む東日本12道県に伝えた。

川内局に風景印、押印依頼、1日50件も

 鳴神山とカッコソウと、ノコギリ屋根の織物工場と。地域の宝物を盛り込んだ「風景印」が、桐生川内郵便局(星野昇一局長)に誕生した。地元の川内小児童の原画をもとにしたデザインで、9月1日の使用開始を前に、全国の風景印コレクターから押印の依頼が舞い込んでいる。

アラーム

 目覚まし時計代わりの携帯電話のアラーム。ねぼけまなこで止めて画面を見ると、見慣れないエリアメールが。「政府からの発表」というタイトルで、「ミサイル通過。ミサイル通過…」とある。時間は「6時14分」。ずいぶんと前だ。その時点で画面を確認できる余裕があるのだから、少なくとも自分に直接的な被害はなかったのだと察する▼起きるのが遅いといわれればその通りかもしれないが、人にはそれぞれの事情に合った生活様式がある。緊張感がないといわれればその通りかもしれないが、眠っている間まで緊張していたら体がもたない。いずれにせよ、その事実を知ったのは発生からそれなりに時間がたった後▼どうやら威嚇のようではあるが、これが威嚇でなかったらと考えると、やはり、平穏な日常は薄氷の上にあるのだと再認識せざるを得ない。発射準備うんぬんは連日報道されていたし、こういう状況も予想されてはいたのだが▼直接的な交渉事は政府に任せるとして、一市民、一個人としては何ができるのか。備える、警戒する、心配する。けれど何ごとも、しすぎたら際限がなく、パニックになりうる。あくまで冷静に、ということか▼天災ではないのだがなあ。(

魅力を引き出す人びと

 上毛電気鉄道にデハ101と呼ばれる車両がある。つくられたのは1928(昭和3)年、上毛電鉄の中央前橋―西桐生駅間が開業した年である。