仕組みづくりを考える

 世界最高齢者として認定されていた大阪市の大川ミサヲさんが1日亡くなった。117歳という天命。長寿はまさに迫力であると、心から思うのである。

 生まれは1898年、19世紀である。桐生の伝統行事えびす講祭りが始まったのが1901年だから、大川さんからみれば年下の催しである。そして日露戦争、二つの大戦、高度経済成長、バブル崩壊と、日本の近代と現代の激動を歩んできた。

 健康に恵まれ一日でも長くたくましく生きていけたらと、おそらくそれは多くの人の願いであるに違いないし、そのために真摯に努力する人に、きちんとこたえていける社会がいい。

 きょう3日は県議選の告示である。国政選挙や統一地方選があるたびに、私たちが政治に求めているのは、いつだってそういう仕組みづくりなのである。

 そして、たえず変化する世の中において、こうした仕組みを将来につなげていくために不可欠なのが、若者が生み出していくエネルギーが常に推進力となって支える構造であるだろう。

 少子化の時代。最近も気になる話題がいくつかあった。たとえば、桐生市菱町の子ども育成会が休会になったこととか、あるいは桐生市内の産科が4院になってしまったという話だ。

 自然の中で遊ぶ機会がなくなって、何事も学校形式でしか知識を伝授できなくなっているいま。地域の子ども同士の関係はこの先どのように考えていけばいいのか、ことは、みんなで知恵を持ち寄りたい課題である。

 また産院の現実は、子育て世代や、そうした世代を子に持つ人びとにたいへんな関心事として受け止められている。いま現在の病床数は地域のニーズに対応できるだけの余裕はあるものの、それに伴う医師の負担増は懸念材料になっており、これもまた、住みよい社会づくりのために後退は許されない社会インフラであることを、私たち一人ひとりがしっかりと自覚したい。

 安心して子育てができる環境は産業問題とも高齢者福祉とも密接であることは論をまたないところである。少子化は時代の流れとはいえ、急がなければならない対策は地域の事情によりまちまちだ。見過ごしてきたことはないのか、原因と結果をよく確かめて、その教訓を次の施策に生かしたいところである。

 新しい命は社会の希望の光である。子どもたちが、たくましく、よき人生が送れるように。

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