熱中症対策を考える

 外を歩くだけでも全身から汗が噴き出すほどの猛暑が続いている。そんな中、今年も夏の高校野球群馬大会が開幕した。磨いてきた技術、重ねてきた練習の成果をすべて出し切ろうと、仲間と声を掛け合い、炎天下のグラウンドを駆け回る高校球児の姿を見るにつけ、はつらつとしたプレーに元気づけられる半面、これほど過酷な環境で試合をしなくてもすむような仕組みはできないものだろうかと、改めて思わずにはいられない。

 気象庁は各地の気象台を通じ、35度以上の猛暑日が予想される場合、事前に高温注意情報を発表し、熱中症になりやすい屋外での作業従事者や高齢者、乳幼児、病気を抱える人たちに向けて、水分や塩分を十分補給するよう呼びかけをしている。

 前橋地方気象台でも、高校野球が開幕した11日から連日で高温注意情報を発表しており、大会を運営するスタッフや各チームの指導者たちも、こうした発表を事前にチェックし、選手や審判、ボランティアの健康管理に注意を払っている。

 ただ、実際の熱中症対策となると、事は簡単ではない。最後の夏に悔いを残すまいと、選手たちは当然、精いっぱいのプレーをする。自然とオーバーワーク気味になり、体への負荷はいつにも増して大きくなる。自分の健康状態に気を配る余裕さえ消えてゆく。その上、大会初戦となれば重圧がのしかかる。かりに小さな異変に気づいたとしても、チームの士気を落とすまいと、我慢してしまうケースは多いはず。気づいたときにはすでに体が動かない状態に陥っている。こうしたケースを、これまで何度となく眺めてきた。

 選手の鍛え方や対策が不足している、指導者の対応に問題があると、批判の矛先は野球をしている当事者たちに向けられがちだが、それは酷というもの。普段これほどの暑さや緊張感の中で練習しているわけではないし、そもそも、暑さそのものが常軌を逸しているともいえる。

 運営の仕組みを見直すことで対策は打てないものか。大きな変更が難しいのだとすれば小さな変革でもいい。埼玉県では、3回ごとにグラウンド整備などのインターバルを設け、選手が体を休める時間を増やしているというが、これも1案。最高気温の時間帯を避け、全日程を1球場で1日2試合以下にする方法なども1案。できることから対策を打つべきではないか。

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