高津戸、カワウ激減 初の射撃捕獲奏功

 川の魚を軒並み食べてしまうなど、漁業や自然環境に深刻な被害を招いているカワウ。その対策として、県が今年度初めて導入した「射撃捕獲」が成果を上げている。県内最大のカワウのコロニー(繁殖地)がある高津戸ダム(みどり市大間々町)上流の渡良瀬川で、国内随一の専門業者によりエアライフルでカワウを駆除するもので、今春からの射撃で600羽近くいたカワウが200羽以下にまで激減。県と関係者はさらなる被害抑制に向けて対策を続ける方針だ。

 カワウは体長40センチ近い魚まで“鵜呑(うの)み”にする大食漢で、放流したアユやヤマメなどを軒並み捕食する。繁殖力も高く、コロニー周辺では大量のふんで草木が石灰色に枯れ、悪臭や騒音で人間の住環境にも悪影響をもたらしている。

 県鳥獣被害対策支援センターなどによると、高津戸では2000年以降から約600羽が確認されている。県内のカワウ被害の総額は2013年度が1億4500万円、15年度は1億8800万円と増加している。

 高津戸コロニーでは、両毛漁業協同組合(中島淳志組合長)が近年、カワウが嫌がる音を出すビニールテープを樹間に張り巡らして巣作りを封じる繁殖抑制策を実施。昨年11月には、テープ張りに小型無人機「ドローン」を利用する全国初の試みも行われた。

 同センターは今年度、野生動物の生態調査などを行うイーグレットオフィス(滋賀県米原市、須藤一成社長)に依頼し、高津戸と南陽台(高崎市)の県内2大コロニーで、プロのハンターによる捕獲を始めた。

 同社による射撃は、発砲音の小さい高性能の銃でカワウの頭部を1撃で仕留めるため、発砲後の群れの飛散も最低限で、死体の損傷も少ないという。

 高津戸ではこれまで、5~6月に4回の射撃で計365羽を捕獲し、開始前調査の491羽との比較では7割減となった。今後も繁殖状況をにらみ、年明けに2回の射撃を計画している。

 高津戸でのこうした状況を、県議会の環境農林常任委員会が25日に視察し、同センターと両毛漁協が実情を説明した。

 中島組合長は、射撃捕獲の有効性を評価しつつ、「魚が集まる場所には相変わらずカワウが集まっている。漁協としては、個体数が10分の1ぐらいまで減って初めて成果が実感できると思う」と、対策を続ける必要性を訴えた。

 同センターでは3年間の事業継続を念頭に、引き続きカワウ被害抑制に努める考えだ。

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