「完全な自動運転」目指す、来月から公道で実証実験

 群馬大学大学院理工学府の小木津武樹助教(31)らの研究グループは10月15日から、同大学桐生キャンパス周辺の公道で自動車の自動運転実証実験を行う。市販のハイブリッド車を改造し、エンジンの始動・停止、シフト切り替え、操舵(そうだ)、加速・制御などをコンピューターとセンサーを使って操作する。ただし、運転席には実験に携わるドライバーが乗り、ハンドルに手を添えていつでも手動で操作できる状態を確保する。自動運転の研究には桐生市も協力する予定。小木津助教は「限られたエリアでの完全自動運転が私たちの目標。実験を通じて技術力の向上につなげたい。新たな移動サービスの可能性も探りたい」と抱負を述べる。

 自動運転の実証実験は、群馬大学桐生キャンパス正門―桐生天満宮前―桐生北保育園―中通り線―天神町二丁目交差点―正門のコースで実施する。期間は10月15日から2021年3月末までの5年間で、不定期に行う。

 安全性を確保するため、警察庁が定めたガイドラインに沿い、自動走行システムを十分に理解した運転手がつねにハンドルに手を添え、いつでも手動操作できるように車両を設計した。もちろん交通法規に従って走行する。また、桐生市を通じて周辺住民や地元の小・中学校などへの周知を図った。

 コンピューターやセンサーなどの電子機器類が利用しやすいよう実験車両にはトヨタプリウスを使用する。

 自動車メーカーを中心に自動運転の実証実験は活発に行われているものの、データが公表されるケースはまれ。小木津助教は「究極の運転者アシスト技術を目指すメーカーと違い、私たちの目標は完全な自動運転。技術の向上を図りつつ、この地域に合った次世代のモビリティーを模索したい」と話す。

 大学では公道実証実験のほか、自動運転と関連の深い技術を持つ市内企業の調査や、市民へのニーズ調査なども実施する予定。桐生市の協力も仰ぐことにしており、「新産業の育成につながれば」と、今後の展開に期待を寄せる。

 小木津助教は慶応大学大学院博士課程を修了、東京理科大学助教を経て、今年2月に群馬大学大学院理工学府知能機械創製部門助教に着任した。慶応大学在学時から自動車の自動運転技術の研究開発に従事し、駐車場など閉鎖空間での実験を繰り返し実施してきた実績がある。

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