わ鐵、「土木遺産」に、「足尾鉄道の息吹伝える」

 わたらせ渓谷鐵道(本社みどり市大間々町、樺澤豊社長)の施設群が20日、土木学会(東京)が選奨する「土木遺産」に認定された。歴史的な土木構造物の顕彰を通じてその保存や活用を促すもので、わ鐵は「近代日本の産銅輸送の根幹を担った足尾鉄道草創期の息吹と情趣を伝える施設群」であることなどが評価された。桐生、みどり両市の施設では初、県内では12件目。鉄道としては関東では4件目、全国では8件目の認定となる。

 土木遺産は、幕末から昭和20年代の土木構造物を主な対象に、その歴史的価値を社会にアピールすることや、まちづくりへの活用を促すことなどを目的に、同学会が2000年度に創設した認定制度。今年度はわ鐵を含め全国24件を認定。これで認定施設は全国347件、県内では「丸沼ダム」(片品村)「敷島浄水場配水塔」(前橋市)など12件となった。

 わ鐵は個別の施設でなく、関連施設群全体が認定された。主なものでは、開業当初の1912(大正元)年完成の橋梁(きょうりょう)4施設、トンネル5施設、大間々駅などの駅舎4施設、スイッチバック遺構の計14施設が認められている。これらの大半を含む38施設は国の登録有形文化財にもなっている。

 鉄道の土木遺産は、関東では箱根登山鉄道(神奈川)、江ノ島電鉄(同)、地下鉄銀座線(浅草―新橋間)に続き4件目。全国では仙山線(宮城・山形)などのほか、今年度認定された旧網走線(北海道)、磐越西線(福島・新潟)も含め通算8件目。県境をまたぐ施設は7件目で、関東では初となる。

 21日午前に県庁で記者会見した県桐生土木事務所の松岡利一所長は、「明治以降、生糸と絹製品に次ぐ主要輸出品となった銅の輸送の根幹を担った足尾鉄道を前身に、いまも第三セクターとして地元自治体と市民に支えられて営業している。今回の選定で、土木遺産という新たな魅力としてわ鐵をPRできれば」と話す。

 樺澤社長は「多くの施設が開業以来100年にわたり補修しながら使われ続けている。今回の認定で、地域にこんな貴重なものがあるという認識が広まり、支援の動きがさらに盛り上がるきっかけになれば」と期待する。

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