団体貸し出し、まず「山笑」へ、桐生市立図書館の新サービス

 桐生市立図書館(藤川恵子館長)が始めた新サービス、高齢者福祉施設などへの団体貸し出し。利用第1号となったのが特別養護老人ホーム・デイサービスセンター山笑(さんわ、桐生市相生町一丁目、藤澤真史施設長)だ。施設を訪ねると、明るい室内のテーブルに図書を広げ、写真や大きめのイラストを見ながら昔の暮らしぶりを思い出し、会話をはずませて談笑するお年寄りたちの姿が。職員が演じた紙芝居「愛染かつら」も好評だったという。

 本紙1月21日記事で図書館の新サービスを知り、さっそく申し込んだのが藤澤施設長(46)。デイサービスは定員10人なので、まずは図書館司書が選んだ20冊を借りてきた。「お風呂や運動、食事の合間に、テレビを見ているだけでなく、好きな本を選んで見てもらえれば」と。

 永田ハツさん(91)は本の中の遊びに「懐かしいね」とページをめくる。いろんな思い出が沸いてくるようだ。「おはじきはこうやってはじいて、当たったら間に指を通すのよ」と。

 職員が実物のおはじきを探して持ってきてくれた。「数の認識や手先の動きのために用意されたものですが、ほんとうに遊べるといいですね」

 「昔のくらしの道具」を楽しんでいたのは森下敏英さん(76)で、「こんな台所だったなあ」「かつお節削りは今でも使ってるよ」「たどんはもうないなあ」。職員らとの会話は戦争中のことになり、「さつまいもはもう見たくないよ」「東京大空襲のときはむこうの空が真っ赤だった」とも。

 「あたしゃファンだから」と「美智子さまのきもの」を喜ぶ人、桐生の昔の写真集をじっと見る人、個々の回想と同席した人同士の対話がまじって笑い声も起こる。「僕たちにとっても勉強になるし、図書館が身近になりました」と藤澤施設長。

 ホーム入居者の利用も図るべく、面会の家族といっしょの「カフェ」の時間に借りてきた紙芝居をするなど、今後の展開も考えている。

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