薬剤師とヘルパー、服薬管理でタッグ

 病院で出された薬の飲み忘れ、飲み残しでたまった「残薬」の問題を解決しようと、介護事業などを手がけるプライマリー(桐生市川内町三丁目、梅澤伸嘉社長)と、桐生・みどり両市内で27カ所の調剤薬局を運営するファーマみらい東日本支社(栗田武士支社長)が医療と介護の枠を超えてタッグを組んだ。2月28日にはファーマみらいの薬剤師がプライマリーを訪れ、ヘルパーたちに「残薬バッグ」を配布し、使い方やその目的を説明した。

 残薬とは、医師から処方されたが飲み忘れたり、症状が改善したとして自己判断で飲み残したりして患者の手元に残った薬剤のこと。薬を処方されたことのある人のうち、2人に1人は残薬の経験があるといわれ、厚生労働省は潜在的な残薬は年間約500億円と推計。残薬問題を解消できれば国の医療費抑制につながる。

 残薬に関して特に重要なのが「自己判断で処方薬の服用をやめた、服用した場合の健康問題」とファーマみらいの薬剤師・新井慶一さん(カトレア薬局)。特に多種類の薬を処方されている高齢者は、薬を飲まなかったこと、飲みすぎたことによる健康悪化、認知機能の低下などが危惧される。

 これら残薬に関する問題に取り組もうと手を結んだ両社。まずはプライマリーに所属するヘルパーを対象に、残薬についてセミナーを開き、バッグの使い方や目的を説明した。

 利用者の自宅を訪問して介護を行うヘルパーは、介護を受ける人の生活に密着した存在。ヘルパーが協力し服薬管理の重要性を再確認することで、目が届きにくい自宅にたまった残薬を薬剤師がチェックしやすくなる。

 さらに、処方されたとおりに薬を服用することで本人の症状の改善につながり、ヘルパーの介護業務の軽減も期待されるという。

 「まずは訪問した際に残ってる薬がないか声をかけてください」と新井さん。本人にわからない残薬がある場合は、「バッグに入れて気軽に薬局に相談に来てほしい。残薬で重複する薬を削減できれば、患者さん本人が支払う負担も軽減できる」と呼びかけた。

 今後は介護の計画をたてるケアマネジャー(介護支援専門員)を対象に説明会を行い、服薬管理の重要性について改めて確認する予定。梅澤さんは「家族も簡単にできるよう残薬チェックを仕組み化し、地域全体に取り組みを広げていきたい」と意気込む。

 プライマリーが運営する「かいごの窓口」(桐生市本町六丁目)で開く24日の認知症カフェでは、ファーマみらいの薬剤師が参加して一般向けに残薬について解説する。

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