海老根氏がみどり市議に復職、除名取り消し

 みどり市議会(定数20)で昨年9月に除名処分を受けて失職し、これを不服として大沢正明県知事に処分取り消しを求める審決を申請していた海老根篤氏(69)について、知事は22日午後、「(除名は)議会の裁量権の範囲を超えまたは乱用したものであり違法」などとして、除名処分を取り消す審決を行った。これにより、海老根氏は市議会が除名を議決した日にさかのぼって市議に復職する。県市町村課によると、審決による除名処分の取り消しは県内初という。

 みどり市議会(定数20)で昨年9月に除名処分を受けて失職し、これを不服として大沢正明県知事に処分取り消しを求める審決を申請していた海老根篤氏(69)について、知事は22日午後、「(除名は)議会の裁量権の範囲を超えまたは乱用したものであり違法」などとして、除名処分を取り消す審決を行った。これにより、海老根氏は市議会が除名を議決した日にさかのぼって市議に復職する。県市町村課によると、審決による除名処分の取り消しは県内初という。

 海老根氏は、昨年9月9日の市議会一般質問で事実に基づかない発言や品位を欠く言動で本会議を混乱させたとして懲罰動議を出され、同月27日の本会議で除名処分が議決された。本人は同日、除名取り消しを求める審決を申請していた。

 申請を受けて知事が任命した自治紛争処理委員(大学教授や弁護士ら3人)が6回の会議を開き、市議会と海老根氏の主張や除名の妥当性などを審理。その意見を踏まえ、知事が審決を出した。

 県市町村課は審決の理由として、海老根氏に言動の一部に「懲罰事由があった」と認めながらも、「言動と懲罰の均衡という点から社会通念上著しく妥当性を欠き、議会の裁量権の範囲を超えまたは乱用したものであり、違法というべき」と議会を批判した。

 市議会は審決に従わなければならず、除名取り消しは確定。海老根氏は除名処分を受けた日にさかのぼって復職し、失職中の報酬と期末手当約317万円も追って支払われる。
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 海老根市議は2015年4月の同市議選で、立候補者21人中20位、当選に必要な法定得票数を3票上回る245票で初当選した。16年2月以降、本会議での言動を理由に計5回の懲罰動議が出され、除名以外に陳謝2回、出席停止1回、戒告1回の懲罰を受けたほか、同年3月には議員辞職勧告決議も受けた。

 同年9月の市議会で海老根市議は、「(同年2月の本会議で)市長が不規則発言をした」などと述べたほか、その発言は録音記録されていないのに「テープから消された」「議事録から抹消された」などと発言した。

 これらの発言について、懲罰特別委員会の武井俊一委員長は審査報告で「自らの思い込みで議会を誹謗(ひぼう)中傷する言動だ」と批判。「度重なる懲罰に反省はなく、議会運営への理解もなく、独善的な態度に終始した」などと除名の理由を述べていた。

 除名には特別多数議決が適用され、在職議員の3分の2(同市議会では14人)以上が出席する本会議で4分の3(同11人)以上の同意が必要となる中、海老根市議本人と、欠席中だった伊藤正雄議長(当時)、「判断できない」と退席した田部井多市市議の3人を除き、伊藤議長の代わりに議会を統括していた宮埼武副議長を含む17人全員が賛成し、可決していた。

 除名取り消しについて、阿左美守議長は「議会の判断として除名を議決しただけに(審決は)残念。復職する海老根氏は議会のルールに従って活動してほしい」と話す。

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