群大理工学部の板橋教授、研究成果でベンチャー設立へ

 群馬大学理工学部の板橋英之教授(54)は、除草効果を持つウッドチップモルタル平板の製品化を皮切りに、スギの樹皮を使った土壌改良剤など、研究成果を社会に役立てるベンチャー企業を立ち上げる計画だ。板橋研究室では手始めに、平板の製造機械を購入すべく、クラウドファンディング(インターネットによる資金調達)を開始。軌道に乗れば起業を望む学生の桐生定着を促進し、未来の科学者育成事業も展開するなど、大きな構想を描いている。

 次世代を担う起業家を発掘する「群馬イノベーションアワード2016」で、板橋研究室の大学院生、平塚育翔さんが大賞に輝いたのがプロジェクトのきっかけ。平塚さんは卒業就職したため、研究室で受け継ぐことになった。

 平板は、県内山林の間伐材など廃材から出たチップをモルタルにまぜて固める。混合比率を調節すると木が腐らず、重金属イオンをよく吸着する。あらかじめ銅を吸着させて除草効果を持たせる。

 さらに樹木は光合成の過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、ウッドチップを使えば吸収されたCO2を固定化し大気中のCO2削減につながる。

 板橋教授が「廃材の有効活用」「除草効果」「CO2削減」の“一石三鳥”を自負するゆえんで、この製造作業を機械化し量産するのが第一歩。明るい4色、30センチ×30センチのブロック1枚で価格1000円以内を目指す。

 さらに事業化につなげたいのは、スギの樹皮を使った土壌改良剤。研究室では米のカドミウム濃度を10分の1に下げることに成功しており、現在は自然由来のカドミウム濃度が高い中国の水田約3万平方メートルで、中国政府のプロジェクトとして実験を進めているところだ。

 ほかにも、医学部との共同研究による唾液を用いたストレス診断法を開発。土壌からの放射性セシウムの除去などの研究にも取り組んでいる。

 板橋教授は「まずは平板製造機械の購入費50万円を募集するが、資金は多いほどいい。学生3人が就業を希望しており、秋をめどに学内で起業したい。いただいた支援は何十倍、何百倍にして桐生に還元したい」と話している。

 クラウドファンディングでの支援は1口5000円で板橋研究室オリジナルキーホルダーから、20万円でさらにサイエンスカフェへの招待、実験・科学教室の出前、平板の施工4平方㍍、スギ樹皮を原料にした土壌改良剤1㌔など、金額に応じてお返しをする。

 申し込みはハレブタイのサイト(https://greenfunding.jp/harebutai)、または板橋研究室(電0277・30・1272)へ。

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