「技能五輪」左官部門、国際大会に桐工OB・小谷野貴光さん

 県立桐生工業高校卒業生の小谷野貴光さん(21)=伊勢崎市、小谷野工業=が10月にアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開かれる技能五輪国際大会の左官部門に出場する。本番に向けて「自信を持ち楽しめるように、技術を磨いていく」と練習に打ち込んでいる。

 2014年に同校建設科を卒業した小谷野さんは15年の技能五輪全国大会で初出場ながら準優勝に。さらに研鑽(けんさん)を積んだ16年、優勝に輝き国際大会への出場切符を手に入れた。

 技能五輪全国大会は年に1度、各県から国内の若手技能者が出場し、技のレベルを競う。国際大会は2年に1回の開催で、前年の全国大会で優勝した選手が出場する。国際大会には22歳の年齢制限があり、小谷野さんにとっては最初で最後のチャンスだ。

 大会は当日発表される英語で書かれた図面をもとに課題に取り組む。壁塗りだけでなく、図面を読み取り柱を組むところからのスタートだ。技術の精度はもちろん完成までの速さも審査の対象。毎日練習を重ねる中で、「見守り、応援してくれる人たちのためにも頑張りたい」。

 中学生のとき、左官・タイル工事業を営む家業に興味を持ち、同校建設科への進学を決めた小谷野さん。左官の仕事は、家の塗り壁から伝統的な蔵の修復、テーマパークの擬岩・擬木製作まで幅広く、さまざまな道具を使って壁に表情を与えられる奥深さが大きな魅力という。

 左官職人が手がける塗り壁について「アイデア次第で無限の可能性があり、世界で一つだけの壁が作れる」と小谷野さん。「頼まれた仕事を何でもこなせ、自分からアイデアを提案できるような職人になれるよう技術を高めていきたい」と話した。

 1日に行われた桐生工業高校(二渡諭司校長)の開校記念行事で、記念講演の講師を務めた小谷野さん。「技能五輪国際大会への道のり」と題して左官職の魅力を紹介したほか、仕事を続けることなどの大切さを伝え、後輩たちに「続けることで楽しさを知ることができる」と呼びかけた。

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