「八百屋お七」56年ぶり復活、からくり人形芝居

 昭和36(1961)年の天満宮御開帳臨時大祭で上演された「吉祥寺恋之緋桜(八百屋お七)」のからくり人形芝居が、56年ぶりに復活した。八百屋の娘お七と寺の小姓吉三郎などの人形8体が桐生市本町五丁目の商店倉庫から見つかったのが13年前。桐生からくり人形芝居保存会(石関博会長)では日本芸術文化振興会の助成を受けて精巧なレプリカを作製、舞台装置を工夫して「悲しい恋の物語」を再現。13日に有鄰館で開いた総会前にお披露目し、20日に一般公開する。

 1961年を最後に天満宮御開帳は行われておらず、有志でつくる保存会が人形や機構、各種資料を発掘して順次、上演できるようにしてきた。「曽我夜討」「巌流島」「忠臣蔵」「助六由縁江戸櫻」「羽衣」、そして「お七」で6演目となった。

 八百屋の娘お七は寺の小姓吉三郎に会いたさゆえに放火する。鹿(か)の子麻の葉模様の振り袖姿で髪を振り乱したお七が半鐘を打つ火事場のシーンがクライマックスで、浄瑠璃や歌舞伎でも知られた恋物語だ。

 人形芝居では美形のお七と吉三郎が衣装を替えて各2体、それに小坊主3体とでっちの豆松が登場。当時の8㍉映像を参考に、残る図面では回り舞台だったが幕とせり上がりで場面転換して、約7分ほどの演目にした。ナレーションは劇団HATAOTO。

 「曽我兄弟」に次いでレプリカの頭と衣装を担当した人形作家の田畑恵美子さん(68)=桐生市東=は「頭は型を作って特殊な粘土を流し込み、中を空洞に。衣装は布を探し、高崎の染め屋に発注したり、半年がかりの製作。実際に動くのを見るとうれしいです」と笑顔。 

 石関会長は「動いて芝居するからくり人形は桐生にしかない。貴重な資料を次の世代に引き継いでいきたい」と抱負。一般公開は20日午前11時半からと午後3時から、味噌・醤油蔵の特設舞台で。その後は解体し、奥の芝居館で毎月第1・第3土曜日の定期上演で「曽我」や「助六」などが見られる。

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