球都復活へ「稲川杯」に、桐生地区高校野球交流戦

 夏の甲子園出場を目指す桐生地区8高校の硬式野球部がしのぎを削る“球都の王者決定戦”「桐生地区高校野球交流戦」。30日に開幕する今大会から、桐生高校を甲子園常連校に育て上げた名将・稲川東一郎監督(1905~67年)の名を冠することになった。没後50年の節目に合わせ、球都復活を願う野球関係者の尽力で実現した。関係者は「球都の歴史を築いた功績を、若い人たちにも知ってほしい」と語っている。

 稲川監督は、桐高を春夏通算24回の甲子園に導き、春は2回準優勝するなど強豪校に育て上げた名指導者。都市対抗野球でも全桐生を率いて準優勝し、「球都桐生」と呼ばれるまでにした功績者だ。

 その流れを受けて桐生地区は現在、春夏通算47回(桐高26回、桐一14回、桐工4回、樹徳2回、桐商1回)と、県内最多の甲子園出場回数を誇っている。

 桐生地区高校野球交流戦は、同地区8校でつくる実行委員会(代表幹事校・桐商)が主催、桐生市教委が共催するもので、2年前から毎年この時期に行っている。ナイター照明のある桐生球場で、夏の甲子園を目指す地元8校の交流と強化を図るのが目的。市民に観戦を楽しんでもらうのも狙いの一つだ。

 没後50年を機に稲川監督の名を冠した大会にしようという声が上がったのは昨年末。稲川監督の教え子をはじめ、球都復活を願う野球関係者からだった。

 球都の歴史顕彰に携わる「球都桐生野球保存会」(柴田敦代表代行)の後援を得て調整を重ね、今大会から「稲川杯」とすることを決定。優勝校にカップを贈ることにした。

 稲川監督の教え子で1966年夏の甲子園に出場し、東芝監督として都市対抗野球の優勝経験がある前野和博さん(68)は「稲川野球はデータを駆使した近代野球の先駆け。球都の歴史を築いたオヤジの功績を、若い人たちにもぜひ知ってほしい」と熱く語る。

 稲川監督の四男の吉田武司さん(75)も「名を冠した大会にしていただいて、さぞかし父も喜んでいると思う。本当にありがたい。地元球児たちにはぜひ甲子園目指して頑張っていただきたい」と喜んでいる。

 交流戦の日程は30日~6月14日(予備日1、8、15日)で、8校がトーナメント戦で優勝を争う。開始は第1試合が午後5時から、第2試合が同7時から。開幕戦は30日午後5時からの桐高―樹徳戦。

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