最新式ピッチングマシン完成 両毛の技術結集して

 両毛の中小企業のものづくり技術を結集し、最新式のピッチングマシンが完成した。最速160キロ。変化球や速度、コースの組み合わせで、のべ400通りものボールを投げ分ける。データを入力すれば特定の投手を想定した投球の再現が可能で、タブレット端末から遠隔操作もできる。予算や必要に応じて機能を後からつけ足せる工夫も施した。全国の高校野球の指導者らの要望を採り入れて、形にした。

 開発したのは、2月に誕生したばかりの新興メーカー「スポーツギア」(足利市通三丁目、塙泰明社長)だ。塙社長(36)は同市内にあったスポーツ関連機器メーカーで製造や営業を担当。経験を生かして起業した。

 取締役には、機械作りを担う藤本精機(太田市大原町)の木暮治美社長(66)と、マシンを制御するコンピューター部分を専門とするアルバ電子(足利市小俣町)の小島康司社長(63)が名を連ねる。2人はピッチングマシン製作で約40年の経験があり、手掛けた機械は県内外の強豪校でも使われている。

 高校野球は部活動の一環だけに、どの学校も高額なマシンを購入できる潤沢な予算があるわけではない。全国の現場を巡って直接声を聞いていた塙さんがこだわったのは、「カスタマイズできる」点だ。標準仕様の機械に、高低を調整するリフターやコンピューター制御の機能を後付けできるようにした。

 機械とタブレット端末をWi―Fi(無線LANを利用したインターネット接続サービス)でつなぎ、指導者が離れたところから手もとで投球操作できるのも、市場になかった機能という。45人分の投球データを保存でき、ナックルを除く全ての変化球を再現可能。今月から量産に入り、9月の販売を目指す。

 藤本精機の木暮社長と手塚剛工場長(40)は桐生市在住。地域に貢献したいと、高校野球の群馬予選開幕に合わせ、スポーツギアとして桐生球場への広告掲出も決めた。「東京五輪で野球も復活するし、中小企業で頑張って盛り上げたい」と塙社長。「いいマシンを作り、よりよい環境で選手が練習できるようにしたい」と意気込んでいる。

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