桐生特支校庭に珍しいハチ2種

 県立桐生特別支援学校(松村正史校長)の校庭にある砂場に、絶滅のおそれがあるニッポンハナダカバチが巣を作り、子育てをしている。このハチはつかむなどしなければ人を襲う心配はなく、攻撃性・毒性が低い種類。同校では5日、児童生徒の安全確保と、希少なハチの生息場所を守るため、砂場に囲いを設置して注意を呼び掛けた。松村校長は「珍しく貴重なハチだと聞いた。近づかずそっと見守っていきたい」と話している。

 ニッポンハナダカバチは、ハエやアブの成虫を捕まえて砂場の穴に持ち込み産卵するカリバチの一種。幼虫の成長に合わせてえさを運んで子育てする。

 もともとは河川敷や海岸の砂地に生息するが、近年は開発や環境変化によって生息場所が減少。環境省の「絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト(レッドリスト)2017」で絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に、群馬県が2012年に作成したレッドリストでは、絶滅危惧Ⅰ類(絶滅の危機に瀕〈ひん〉している種)とされている。

 県立ぐんま昆虫の森の昆虫専門員・金杉隆雄さんによると、現在、県内で確認されているニッポンハナダカバチの生息地は、桐生市内の公園と太田市の公園だった。

 桐生特支の砂場は縦6メートル×横12メートルの広さで、一昨年ごろからハチの存在が確認されていたという。職員が調べたところ、人を襲う心配のない種だとわかり、近づかないように注意していた。

 教諭の岡田和久さんによると今年は「数㍍離れていても羽音がきこえるほど数が多く」、安全性を確認するため、改めて昆虫の森に問い合わせた。

 また同所ではニッポンハナダカバチよりもひと回り小さいカリバチの一種ヤマトスナハキバチの生息も確認された。ニッポンハナダカバチと同じく危険性は低い種類で、砂地に掘った穴の中で子育てする。県内の記録は前橋市の3個体だけで、生息情報が少ない。環境省レッドリスト2017、群馬県レッドリスト2012では共に情報不足で評価が困難であるとしている。

 金杉さんは「希少な2種です。子育てが終われば成虫は巣立つので、他の生息場所で見かけたとしても静かに見守ってください」と呼びかけた。

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