笠南中3年生、「人を支えるデザイン」発表会

 人を支えるデザイン、だれもが前向きに勇気を持って生きるためのデザインを考えてきた生徒たちの発表会が13日、みどり市立笠懸南中学校(桑原博志校長)で行われた。3年生153人が5月から、美術と総合的学習の時間を使って取り組んできたもので、「WITH ALS」代表の武藤将胤さん(30)=東京都港区=が来校して審査。「見た目のデザインだけでなく幅広く、突き詰めて考えている。障害者用のレッテルを超えて、商品として実現してもおかしくない」と生徒たちのアイデアを評価していた。

 難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症後もコミュニケーションクリエーターとして活躍する武藤さん。同校美術教諭で、群馬大学大学院教育学研究科で協働学習を研究中でもある茂木克浩さんと旧知だったことから、初の「人デザイン」プロジェクトにかかわった。

 武藤さんは5月の来校時に問題を提起し、これまで2回にわたりコミュニケーションロボット「オリヒメ」を使って東京からアドバイス。生徒各班は「見た目のデザイン」だけでなく「伝え方のデザイン」「仕組みのデザイン」も練り上げて、発表会では6班が最終プレゼンを行った。

 ダイバースーツ、新しい補聴器、脳波を使う帽子、動きを補佐するズボンなどユニークで楽しいアイデアが示されて、武藤さんと茂木教諭が最優秀賞に選んだのは「魔法のダイニングセット」。テーブル上に並ぶカラフルな食器のうち、食べたいものを3秒見つめるとそれが口に運ばれる。センサーや人工知能、リニアの仕掛けが使われ、みんなで食事を楽しめる。優秀賞は「スターウォーズ」の世界のようなユニークな車「ポップカー」だった。

 武藤さんは「僕もみなさんに刺激を受けて、ファッションブランドを立ち上げました」と、障害と闘う人も健常者もかっこよく着られるボーダーレスなジャケットを紹介。またカーシェアを始めた電動車いすWHILLも生徒たちに試乗させた。

 体験した新井陸斗さんは「すごい。体に全く負担なく、スムーズに動く」と感動の面持ち。そして「ポップカーが実現できるような科学者になりたい」と目を輝かせた。

 茂木教諭は「美術の授業でしたが、生徒たちの今後の、何かのタネになればいい」と話していた。

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