山口晃さん「藝術大使」に、桐生市

 桐生市は18日、同市育ちの画家・山口晃さん(47)を市の「藝術大使」に任命すると発表した。現代美術の世界で絶大な人気と実力を誇る山口さんを通して市の魅力をアピールしてもらうほか、まちづくりや文化振興の面でも助言を求めたい考えだ。亀山豊文市長は「将来的には山口さんの作品を(市内で)見られる場も考えたい」と述べ、絵画の取得や展示にも前向きな姿勢を示した。9月2日に同市市民文化会館で任命式と記念講演会を開く。

 山口さんは1969年東京都生まれ。3歳から桐生市で育ち、市立昭和小、昭和中、県立桐生高卒。東京芸大美術学部絵画科油画専攻卒、同大学院美術研究科絵画専攻修士課程修了。2001年に岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞、13年に著書「ヘンな日本美術史」で小林秀雄賞を受賞した。

 大和絵など古来の日本画の様式を用い、卓越した画力とユーモアで過去と現在を融合させる独自の作風で知られる。成田空港や地下鉄西早稲田駅のパブリックアート、富士山世界遺産センターのシンボル画などを手掛ける一方、五木寛之さんの新聞小説「親鸞」など数々の文芸や書籍の挿絵なども担当。日本現代美術の旗手として注目を集めている。

 「桐生市藝術大使」は、山口さんと市との結びつきを内外にアピールする狙いで新設した肩書。名称は山口さん本人の希望で、正字で表記するという。

 市教委の戸部裕幸管理部長は18日の会見で、藝術大使の役割について「具体的な調整はこれからだが、近々では、来年度に桐生市文化協会と市文化祭が70周年を迎えるので、お力添えをいただきたい」と希望を述べた。

 亀山市長は「山口さん自身にも桐生への思い入れがあると思うし、桐生を題材にした絵もある。知恵や見識をお借りし、まちづくりのアドバイザーにもなってほしい」と言及した。

 山口さんの作品を購入、展示する考えについては「現時点ですぐに購入する予定はない」としつつも、「将来的には、例えば大川美術館に山口さんの作品を置けば波及効果も出る。市役所も含め、どういう場所がいいのか、山口さんと相談しながら進めたい」と、取得や常設展示に意欲をのぞかせた。

 任命式は9月2日午後2時から行い、市民文化会館開館20周年記念を兼ねて山口さんが講演する。一般観覧は650人。申し込みは8月11日(当日消印有効)までに往復はがきで市教委生涯学習課へ申し込む。はがき1通での申し込みは2人まで。募集定員を超えた場合は抽選となる。問い合わせは同課(電0277・46・1111)へ。

【訂正履歴】一般募集650人について「先着」とあるのは「超えた場合は抽選」の誤りでした。本文はすでに訂正済みです。

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