伝統を守る、市指定重要無形民俗文化財「桐生木遣」の桐声会

 夏の夜、男性の息のあった歌声が響く桐生市北第2集会所(同市天神町二丁目)。市指定の重要無形民俗文化財「桐生木遣(きやり)」の保存に取り組む「桐声会」(川島茂会長)の会員で、伝統を守るべく、4月から稽古に励んでいる。

 木遣はとび職人の仕事歌。桐生では江戸時代、江戸の町人文化の流入とともにとびや火消しが桐生新町の自治組織に組み入れられる中、定着していった。江戸木遣よりテンポが速い「中間(ちゅうま)」となっているなどの特徴がある。

 昭和30年代(1955~64年)に後継者不足となるが、その危機感から1972年、桐生鳶職組合内に保存会を結成。89年、桐生市の重要無形民俗文化財に指定された。

 現在の会員は12人。4月から7月、9月から11月に月2、3回集まり、稽古に励む。桐生木遣として継承された45曲のうち、完全に伝わるものは26曲。川島会長は「口伝えで受け継がれてきたもの。真棒の扱い方など、稽古を続けていないと、合わせられないからね」と話す。

 毎年1月の桐生市消防隊の出初め式をはじめ、依頼があれば地域のイベントなどにも出演。今年は8月26日の「笠懸まつり」に初めて出演する予定という。

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