「桐生マフラー」のブランド化へ、プロジェクトが始動

 桐生商工会議所(山口正夫会頭)の「桐生マフラー・ストールブランド化事業」が始動した。繊維に関係した多様なものづくり機能を有する桐生産地で培われた技術力に、デザインや新素材活用の要素を加えたオリジナルマフラーを開発し、ブランディングによる差別化と高付加価値化の実現による地域への利益還元と、産地活性化につなげる。今年度を調査研究に充て、来年度に試作開発に移る計画だ。

 「今治タオル」で知られる愛媛県今治市のような単一商品の産地と異なり、桐生は織物も和装と洋装があり、刺しゅう、染色、縫製、ニットにレースなど多彩な機能がそろう総合産地であるが故に、全体を網羅した訴求が難しい側面がある。

 今回の取り組みはそれらの技術集積をマフラーという共通の形に落とし込み、国内外に発信し、実売につなげようとするものだ。国の小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業の採択を受け、展開する。

 歴史をひもとけば、戦時中の織機供出などで壊滅的な打撃を受けた桐生の繊維産業が立ち直るきっかけをつくったのも、マフラーだった。

 西アフリカ向けに生産したマフラーは戦後民間貿易の第1号であり、輸出で得た利益をもとに新たな織機を導入し復興につながった。産地の生産加工高は近年減少が続いており、再度マフラーで新たな繁栄につなげる願いも込めた。

 同会議所会館で開かれたプロジェクトの初会合で山口会頭は「1次産業の6次化がいわれるが、2次産業も6次化し、できるだけお客さまの近くで売る。インターネット通販が普及し、やりやすい環境になった。調査研究で終わらせず、製品化までつなげる。繊維産地桐生復興のため、ご協力いただきたい」と訴えた。

 繊維に関係する業界や行政関係者を委員とし、専門家としてデザイナーで東京造形大学助教の大友邦子さんが加わった。今後は参画事業者を募るとともに、商品開発の前提となる各社の技術ノウハウの調査、ブランディングに向けた勉強会を重ねる。

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