災害に備え“自治会長ゲーム”、避難所の運営を想定

 災害に強い地域づくりを目指して開発された「自治会長ゲーム」が16日、桐生市内で開かれた防災講座で行われ、約50人の参加者が初体験した。それぞれが「自治会長」となって他の参加者と積極的に会話し、災害時の避難所運営などに必要な特技や経験などを発掘する。講師陣は避難所運営で見落とされがちな女性目線の大切さなども強調。「災害時に避難所をつくっていくのはみなさん自身」「力を合わせて地域防災力を高めて」と訴えた。

 自治会長ゲームは、災害時に必要な地域住民どうしの交流を促すため、兵庫県立大看護学部などが開発。鳥取県では中学生の減災教育にも導入され、災害に強い地域づくりに役立つツールとして注目されている。

 県ぐんま男女共同参画センターが桐生市と共催した防災講座「災害から自分と家族を守るコツ」の一環。同センターと同市によると、市内で開催した防災講座で自治会長ゲームを行うのは今回が初めてだという。

 参加者は大地震発生直後の避難所で、自治会長(地域のリーダー)を務めているという設定。「自治会長サイン帳」と「お礼カード」を手に他の参加者に声をかけ、災害時に必要な特技や経験を持っている人を探す。

特技ある人探して

 サイン帳には「人命救助の講習を受けたことがある人」「飯ごうでご飯を炊いたことのある人」など九つの特技を例示。会話する中で九つの特技の適任者を探してサインしてもらい、お礼カードを渡したら終了だ。

 最初は不安そうな表情を浮かべていた参加者たちも、ルール説明を終えてゲームが始まったとたんに積極的に交流。これまでの人生で培った特技や経験を話題のきっかけに、多くの参加者たちが笑顔で語り合った。

 講師陣の一人で県立女子大教授の小林良江さんは「知らない人が集まる避難所で必要なのはコミュニケーション。ゲームをする前と後では居心地が違うのでは。役割があるとこんなに気持ちが違う」とコミュニケーションの大切さを強調した。

 さらに防災講座で小林さんは、地域防災のリーダーに女性が少ないことを受け、着替えやトイレなどの女性目線での配慮が、避難所運営などで見落とされがちだと指摘。「災害リスクを軽減するために男女共同参画の視点は不可欠」だと訴えた。

 講師陣の一人で日本防災士会県支部副支部長の赤羽潤子さんも「避難所運営本部(役員)に3割以上女性を入れてほしい。役割分担として、子育てや介護を担ってきた女性の力を上手に取り入れて」と呼びかけた。

 同講座や自治会長ゲームについての問い合わせは同市市民生活課(電0277・46・1111、内線317)へ。

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