経営難の本四商店街、来月自己破産申請へ

 桐生祇園祭の鉾(ほこ)と屋台を常設展示する唯一の施設「あーとほーる鉾座」を所有する桐生市本町四丁目商店街振興組合(佐々木裕理事長、27組合員)は11月上旬をめどに、前橋地裁桐生支部に自己破産を申請することが18日、関係者への取材で分かった。事業停止に伴い想定される補助金返還請求などを含め、負債額は1億4千万円に上る見込み。年内に破産手続きが始まる見通しで、鉾座の土地と建物が競売に掛けられる可能性がある。これまでに桐生市内で商店街振興組合が自己破産申請した例はない。

 同組合は1982年、本町通り拡幅と商店街近代化を目的に、中央商店街から分離独立し設立。2000年には本町四丁目町会(自治会)所有の鉾と屋台を生かした多目的ホール・鉾座と有料駐車場を整備した。

 総事業費約5億3千万円のうち、約3億3千万円は国・県・市からの補助金。約1億7千万円は県を通じた国からの無利子融資(高度化資金)で借り入れ、鉾座の使用料や有料駐車場の収益などで返済する計画だった。

 しかし景気低迷で同組合の収益は激減し、20年返済(5年据え置きで年間約1100万円の15年返済)の当初計画通りに返済できたのは2年だけ。それ以降は年間返済額を約600万円に減額して繰り延べ返済を続けた。

 国との交渉で16年度以降の繰り延べ返済が認められないと見込んだ同組合は16年3月、有料駐車場を民間に売却して借金残額約1億円を完済。しかし駐車場収益という収入源を失ったことでさらなる経営難に陥り、自主運営を断念して解散を模索していた。

 16年5月には同組合に対し、桐生市が約3780万円の補助金返還を請求。有料駐車場を売却した同組合に、駐車場取得時に市が支出した補助金の一部返還を求めたものだが、同組合が支払うめどはたっていない。

 同組合は今年3月、「鉾と屋台を市の活性化に生かしてほしい」と、同市に対して鉾座の無償譲渡を提案したが合意に至らず。同6月に同組合が申し立てた同趣旨の民事調停も今月3日に不成立となったことを受け、11月上旬をめどに自己破産申請する方針を決めた。

 同調停で組合側代理人を務めた弁護士によると、すでに市から請求されている補助金返還など約3840万円に加え、鉾座の事業停止に伴う国・県・市からの補助金返還請求が今後新たに約1億円程度見込まれることから、負債額は1億4千万円程度になる見通しという。

年内にも手続き開始

 同組合が11月上旬に自己破産申請すれば、年内に破産手続きが始まる見通しで、鉾座の建物や土地は競売に掛けられる可能性があるという。鉾座は現在、使用料を徴収する貸館事業は休止中だが、展示中の鉾や屋台の見学は受け付けている。

 佐々木理事長は「組合員の減少や高齢化、後継者不足で存続は難しい。文化遺産である鉾と屋台の顕彰に努力してきたつもりだが、景気低迷を見極められず、事業の見通しが甘かったのは否定できない」と肩を落とす。

 さらに「本町四丁目町会から鉾と屋台を預かっているので、鉾座が人手に渡らないよう奔走したが万策が尽きたというのが正直な思い。(鉾座の活用方法が)今後少しでもいい方向にいくことを祈っている」と語った。

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