自民・井野氏、盤石の3選 希望・石関氏は議席失う

 第48回衆院選は22日投票され、即日開票の結果、桐生、みどり両市を含む群馬2区は自民党前職の井野俊郎氏(37)が圧勝し、3期連続当選を果たした。民進党から希望の党公認で出馬した石関貴史氏(45)は2012年、14年に続き井野氏に敗れ、比例復活もできず落選。4期12年守ってきた非自民の議席を失った。共産党新人の長谷田直之氏(61)は前職対決に埋没したものの、同党候補としては前回に続き2万票を超えた。2区の投票率は49・13%で、過去最低だった前回の49・45%をさらに下回り、県内5選挙区でも最低を記録した。

 【解説】5年弱に及ぶ安倍政権への評価が問われた今回の衆院選。自公与党で圧倒的多数を占める「安倍1強」の状況に対し、安保法制や「共謀罪」法の強行採決、森友・加計学園疑惑など「多数派のおごり」ともとれる政権運営に批判もあったものの、野党勢力の失速や分散などにより、結果は与党で310議席以上を確保する圧勝で、またも政権に信任を与える格好となった。

 群馬2区は、自民の井野氏と、民進党から希望の党公認での出馬となった石関氏との前職対決に、共産の長谷田氏が絡む「3極」の選挙構図となったが、ふたを開ければ井野氏が有効得票の約56%を占める圧倒的な差で3選を果たした。

 井野氏は2014年の前回選以降、地元の伊勢崎市に比べて弱かった桐生、みどり両市で支持組織を拡充。行政区単位で後援会支部をつくるなど地盤を強化し、両市のイベントにもこまめに顔を出すなど「地元代議士」としての存在感を増した。投票率が下がる中で自身最多となる8万9000票以上を獲得したのは“自分の足”で稼いだ票といえる。

 石関氏は、公示前までは希望への期待感などから接戦を演じるとの予測もあったが、小池百合子代表の「排除」発言などが逆風となり一気に失速。選挙のたびに政党を渡り歩くとの印象も痛手となり、自身初めて5万票を割る完敗を喫した。

 長谷田氏は「自民対希望」の対決に埋没したが、同党候補として2万票を獲得した前回選よりさらに1900票余り上積みし、政権批判票の一定の受け皿になった。

 2区の選挙戦では、平時から地道に選挙区を歩いた井野氏の実績が、徹底した自転車遊説で計1015回の街頭演説をこなした石関氏との“ドブ板合戦”を制したともいえる。半面、憲法改正や消費増税の使途変更の是非など重要な争点はかすんでしまった印象が強い。

 井野氏自身、演説で「『安倍1強』は不安だという声もある」と言及するなど、政権への批判の声は少なくないにもかかわらず、その受け皿となるべき希望が政策的に自民と大差なく映った点も否めず、自民の「安定感」が有権者に選ばれた側面もあろう。

 井野氏は選挙中、もっぱら経済を重視する姿勢を打ち出し、「アベノミクスの効果を地方や中小企業に及ぼすのが3期目の自分の責務」と唱え続けた。桐生、みどり両市は人口減や少子高齢化、産業低迷など、難題山積の地域だ。そこに光を差し込むことができるか、発言の責任と実行力が厳しく問われる。(高橋洋成記者

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