丸帯で豪華絢爛スカジャン、産地ならではの和洋折衷

 後藤織物が織った最高級の丸帯を使った豪華絢爛(けんらん)なスカジャンが仕上がった。アメリカンカジュアルブランド「リアルマッコイズ」の企画で実現したもので、素材も加工も全て桐生産地内で完結した。和装と洋装のものづくり機能が集積する当地だからこそ実現した1着だ。

 取り組みがスタートしたのは昨年暮れ。リアルマッコイズの担当者が年代物のスカジャンを参考に、和装の生地を用いた商品開発を発案し、同ブランドと協働するグラムス(境野町七丁目)の松平博政さん(42)が参考画像を基に似た生地を探す中で、後藤織物の帯地に行き着いた。偶然にも、示された画像と同じ生地を見つけ出すことができたのだ。

 「御所時(ごしょどき)模様」といい、四季の花々や御所車が配置された、伊藤若冲の絵画をモチーフにしたみやびやかな柄。丸中(元宿町)の仲介で帯地を調達し、明仙縫製(相生町一丁目)の明仙泰作さん(72)の名人芸で形にした。糸抜けに細心の注意が必要で、かつ服にしたときに違和感のない柄を切り出す裁断は、特に気を配ったという。

 戦後帰国する米兵向けのみやげ品として売られたのが起源のスカジャンは、表裏使えるリバーシブルが基本。裏はミタショー(同)が再現した昔ながらのレーヨンの生地に、横振り刺しゅうで富士山とタカを配した。リブも中島メリヤス(広沢町一丁目)が専用に作り上げた。

 縫い上がったばかりのスカジャンを後藤織物で披露。同社の後藤充宏さん(50)は「仕上がりを全然イメージできなかったが、これはすごい」と感嘆。丸中の篠田一さん(59)は「桐生だからこそ、和と洋が融合できた」と誇る。1反から3着しかできない希少品で、価格は36万円(税抜き)。

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