連動型の住宅火災警報器、重伝建地区の全戸に配布へ

 桐生新町重要伝統的建造物群保存地区(桐生市本町一・二丁目と天神町一丁目の一部)の全戸に、無線連動型住宅火災警報器が設置されることになった。文化財である重伝建と住民の生命財産を守り、後世に伝えるためで、3日には桐生市立北小学校で防災イベントを開催。警報器の説明や実演を行い、実際に消火器を使っての訓練や炊き出し、非常食の配布も実施した。

 本町一・二丁目の町会や自主防災会の呼び掛けで住民約50人が参加して、桐生市教育委員会文化財保護課や桐生市消防職員、警報器業者らの話や実演を受けた。

 地区内本町一丁目では2014年8月に昭和6(1931)年建築の木造2階建て家屋が、16年6月には明治11(1878)年建築の長屋の一部が全焼。2件とも伝統的建造物特定物件で、火災原因は不明だ。

 「重伝建になってたばこをやめた」と本町二丁目の増子相一会長が言うように、日ごろから火の始末に十分気を付けていても、木造家屋が密集し道幅も狭い地区で原因不明の火災が発生したときの対処が不可欠だ。

 「文化財であり、生活の場である」。防災計画策定にあっての調査結果では、消火栓や防火貯水槽、送水管などの防火体制は基本的な性能を満たしているため「いちはやい通報」が最重要課題とされた。連動型の火災警報器は空き家や留守宅、高齢者宅など即座に119番通報が難しい建物での早期発見、早期通報に役立ち、火災予防意識を高めることが期待される。

 文化財保護課重伝建係は「新潟糸魚川のように、1件の火災が大火に広がる。失ってしまうものは大きい」と、連動型の設置に理解を求めた。住民の金銭負担はなく、住宅の寝室と台所に感知用警報器を、居間など普段目につきやすいところに受信用の警報器を設置して、近隣の火災に早く気付く仕組みづくりをする。

 「各家庭の状況を聞き取って設置場所を決める。普段の近隣の様子を把握しておいてほしい。年内から来年2月末までに全戸に設置を終えたい。年1回作動テストをする」としている。住民からはたくさんの質問が出て関心の高さを示した。

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